ソンダーガード/BBCウェールズ管第二夜

月曜日に続き、火曜日のプロムスもソンダーガード率いるBBCウェールズ・ナショナル管のコンサートでした。

8月12日 ≪Prom 35≫
マックスウェル=デイヴィス/Caroline Mathilde 第2幕組曲
ウォルトン/ヴァイオリン協奏曲
     ~休憩~
シベリウス/交響詩「トゥオネラの白鳥」
シベリウス/交響曲第5番
 BBCウェールズ・ナショナル管弦楽団
 指揮/トーマス・ソンダーガード Thomas Sondergard
 ヴァイオリン/ジェームス・エーネス James Ehnes
 ソプラノ/メリー・ビヴァン Mary Bevan
 メゾ・ソプラノ/キティ―・ホエイトリー Kitty Whately

この回もソンダーガードの出身であるデンマーク繋がり、そして北欧の交響曲というプログラムが選ばれました。実に凝った選曲と言えるでしょう。
最初に演奏されたのはマックスウェル=デイヴィスのバレエ作品。この作品の舞台がデンマークなのですね。この英国を代表する作曲家、日本で聴かれることは滅多に無いので、プロフィールを知る良い機会でしょう。ホームページはこちら。

http://www.maxopus.com/

この日取り上げられた「キャロライン・マティルデ」は、全2幕のバレエ。18世紀英国の王女カロライン・マティルデが15歳でデンマーク王に嫁ぎ、不幸な結婚で終わるというストーリーで、デンマーク王立バレエ団のために作曲したものです。
指揮者ソンダーガードは、前回に紹介したように打楽器奏者からキャリアをスタートした人で、人と1991年の初演の時にはピットで打楽器を演奏していた由。
演奏会用組曲は各幕に基づく2曲があり、今回は第2組曲。ソプラノとメゾ・ソプラノが入りますが、歌詞はありません。25分ほど掛かり、詳しい楽曲解説はこちらから。サンプルも聴くことが出来ます。

http://www.webarchive.org.uk/wayback/archive/20070131120000/http://www.maxopus.com/works/carplot.htm

次のウォルトンは、今年の隠れテーマである知られざるヴァイオリン協奏曲の名曲に入るかも知れませんが、コアなファンにはやや微妙。良く知ってるよ、という聴き手も多いでしょう。
御存知の様にハイフェッツの委嘱で書き、ハイフェッツに捧げられた作品。初演後に改訂されたそうですが、オリジナル稿の録音(ハイフェッツのソロ、ナクソス盤で復刻されている)を聴いても改訂稿との違いはほとんど無いように思えます。(NMLで試聴可能)

エーネスは、バッハの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番から第3楽章アンダンテをアンコールしてくれました。

後半はシベリウスを2曲。どちらも白鳥がテーマで、第5交響曲の第3楽章に出る金管のコラールは、シベリウスが聞いた白鳥の鳴き声がヒントになっています。
第5もオリジナル稿と改訂稿の2種類がありますが、今回は普通に改訂稿での演奏。この曲が書かれたのも第一次世界大戦と同じ時期で、作曲からほぼ100年が経過しました。

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