フェスタ5日目・東京フィル

5日目の東京フィルは、恐らく今年のフェスタ、一般的には1番人気なのでしょう。チケットは完売だそうですし、実際空席は僅かしかありませんでしたね。
今日は朝から暑く、家で時間待ちしているより公開リハーサルを見学してミューザで過ごした方が涼しかろう。そう考えましてね、開始予定の12時には定席についていました。

実際にリハーサルが始まったのは12時半、時間ピッタリにチューニングが始まります。今日のマエストロ、チョン・ミョンフン登場。
今回の演目はベートーヴェンの交響曲二本立て、第6番と第7番です。東フィルは19日から27日まで、チョン・ミョンフンと東京オペラシティコンサートホールでベートーヴェン交響曲全曲演奏会をやっていたんですね。6番・7番は25日に既に演奏したプログラム。リハーサルといっても既に出来上がっている内容です。

それもあるのでしょう、リハーサルとは名ばかりで、田園に15分、第7も15分、1時丁度にリハーサルは終了してしまいました。その間ジャスト30分。それでも全楽章の頭を弾きましたよ。アドバイスや直しはほんのチョコっと、拍子抜けではありましたな。
1時から本番開始の3時まで、昼食に蕎麦を啜って過ごします。

で、演奏。
実は東フィルは最近ほとんど聴いていません。オペラもご無沙汰ですから、何時このオケを聴いたのか思い出せないのです。
チョン・ミョンフンも同じで、東フィルとはかなり前ですし、ロンドン交響楽団の来日公演を偶然ミューザで聴きましたが、とてもとてもマエストロの音楽を良く知る立場じゃありません。
ですから簡単に。

田園は流れが自然、その心地よさに思わずウトウトするほどです。肩の力が抜けているのですが、抜け過ぎの感もありまして、少し緊張感に乏しい恨みがあります。
冒頭、第1楽章の最初のテーマの出し方がチョッと変わっていて、ヴィオラとチェロの2分音符が長めなんです。ここが少し気になりましたね。

第7も傾向は同じ。勢いだけで一気に描き切るというスタイルですね。この交響曲では、第2楽章アレグレット主題の歌わせ方を丁寧に指揮していました。
フィナーレは大いに盛り上がり、満員の客席も猛烈に沸いていました。

ロンドン響の時も感じたのですが、チョン・ミョンフンに対する反応は、歓声と共にスタンディング・オーヴェイションをする人が少なからず居て、異様な感じがします。もしかすると毎回同じメンバーが立っているのかも知れません。いわゆる追っかけなんでしょうか、今日はどうもそれが気になりましたね。
演奏の質には関係なく大声援を送る。「追っかけ」の気持ちは判るんですが、“エッ、それほど良かった?”と思うレヴェルの演奏に接してしまうと、白けてしまいますね。

東京フィルハーモニーは、先に書いた通り普段聴いていませんので、今日の出来がどの程度か判断できません。
勢いもあったし、響きも立派でしたが、ところどころ乱れというか、ささくれ立つような音が聴こえたのも事実です。
それでもミューザの素晴らしい音響空間で大編成のオーケストラを聴く。こんな素晴らしい体験が毎日続いているんですから、あまり文句を言わないようにしなくちゃ。

 

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