デットーリ、GⅠ200勝!
土曜日はニューバリー競馬場でロッキンジ・ステークス Lockinge S (GⅠ、4歳上、1マイル)が行われました。ヨーロッパ競馬シーズンでは最初のマイルGⅠです。
馬場は good to firm 、所により good と大分乾いては来ましたが、未だ水分を多く含んだコースでした。
8頭が参戦、去年秋のクィーン・エリザベスⅡ世ステークス(GⅠ)を制したオリンピック・グローリー Olympic Glory が11対8の1番人気。その後のBCマイル遠征は9着と奮いませんでしたが、今期はジックリと調教を積み、これがシーズン初戦となります。
レースは本命馬と同じリチャード・ハノン厩舎のモンティリッジ Montiridge がスタンド側を先頭に立ち、馬場の中央はトップ・ノッチ・トント Top Notch Tonto が逃げる展開。モンティリッジが役目を終えて後退すると、これをマークしていたオンリック・グローリーが抜け、この時点で勝利は確定。2番人気(9対2)で前走サンダウン・マイル(GⅢ)勝馬タリアス Tullius が2馬身4分の1差で2着に入りました。
更に1馬身4分の3差に食い込んで観衆の目を惹いたのは、これがヨーロッパ・デビューとなったアメリカのGⅠ2勝(ウッド・メモリアルとハスケル・インヴィテーショナル)馬ヴェラザーノ Verrazano 。去年までトッド・プレッチャー師が管理していた4歳馬ですが、今期からアイルランドのエイダン・オブライエン厩舎に移籍、ジョセフ・オブライエンを背に初めて英国の競馬ファンにその雄姿を見せていました。
見事人気に応えたオリンピック・グローリーは、父親から厩舎を引き継いだばかり、スタートから絶好調のリチャード・ハノン師の管理馬。流石にエース級の馬のGⅠ戦を本命で出走させるとあって、期待よりはプレッシャーの方が大きかったようです。それでも最初のステップをクリアー、新生厩舎を引っ張っていく頼もしいボスに育って行ってほしいと思います。
オーナーのシェイク・ジョハーン・アル=サニ氏の期待を背負ったランフランコ・デットーリ騎手は、これが節目となるGⅠ200勝目。ロッキンジ・ステークスは4勝目の快挙です。スタンドには元ジョッキーで父親のジャンフランコも応援に駆け付けていて、ウイナーズ・サークルで抱き合っていたのが印象的でした。ランフランコは、イタリア人オーナー(カルロ・ヴィッタディーニ氏)所有のウォロウ Wollow で2000ギニーに勝ちましたが、ダービーではピゴット騎乗のアンペリー Empery に敗れました。そのシーンを当時テレビ生中継で見ていたことを思い出します。
2歳時のジャン=・リュック・ラガルデール賞を含め三つ目のGⅠを獲得したオリンピック・グローリー、次走はロイヤル・アスコットのマイルGⅠクィーン・アン・ステークスになるでしょう。一方2着のタリアスはより長い距離にも適性があることから、次はエクリプス・ステークスの可能性が高い由。
また環境の異なる中、初めてのヨーロッパ競馬を体験して結果を出したヴェラザーノの今後にも大注目で、当面はやはりクィーン・アンが目標になるでしょう。クィーン・アンではオリンピック・グローリーと同じハノン厩舎からトルネード Toronade の参戦も予定されていますから、3頭の激突が今から楽しみです。
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