2013グローリアス・グッドウッド2日目

グローリアス・グッドウッド2日目のG戦は3鞍、2番目に行われたサセックス・ステークスが最大の注目ですが、その前に行われたゴードン・ステークス Gordon S (GⅢ、3歳、1マイル4ハロン)から。
馬場は前日に続いて good to soft 、言うまでもなくセントレジャーのトライアルで、7頭が挑戦してきました。7対4の1番人気に支持されたエクセス・ナレッジ Excess Knowledge はG戦初出走となる新星で、前走サンダウンが今期初戦と調整が遅れていた馬。3着でしたが相手はより格上の古馬で、ゴスデン厩舎期待の1頭です。

レースはファロン騎乗のテストゥード Testudo がペースを落としての逃げ。力量が拮抗していることもあって、有力馬にも不利の生ずる展開となりました。エクセス・ナレッジは後方から進みましたが、勝負所で前が塞がり、立て直して追い込むも頭差届かず2着惜敗。本命を抑えて勝ったのは、キャップ・オラッシズ Cap O’rushes という3番人気(9対2)の馬でした。4分の3馬身差で最低人気(33対1)のスピルウェイ Spillway が3着に食い込み、逃げたテストゥード4着。また2番人気(4対1)のシークレット・ナンバー Secret Number も内で包まれて出られず、脚を余したまま5着に終わりました。
同じメンバーでもう一度行えば、結果は全く違ったものになるのではないかという印象です。

勝ったキャップ・オラッシズはゴドルフィンの馬。2歳時はマームド・アル・ザローニ厩舎に所属していましたが、ザローニ師は例の薬物使用で騎乗亭処分に。替ってサイード・ビン・スロールが管理してきましたが、今回からゴドルフィンの新しい調教師に決まったチャーリー・アップルビーの管理下に移っての初戦。騎乗したのはゴドルフィンの主戦騎手の一人であるミケール・バルザロナ。
アップルビーはスロール師の元で修業を積んだ人で、このレースがG戦初挑戦での初勝利でした。またバルザロナ騎手にとってもグッドウッドでの初勝利。ゴドルフィンはシークレット・ナンバーも所有しており、日本流に言えば今回は弟子の管理馬が師の馬に勝って恩返しをした、という形でしょう。
勝馬は前走、前師の元で愛タービー4着。本来は僚友リバータリアン Libertarian のペースメーカー的な馬として出走したものでしたが、セントレジャーを狙える位置に上がってきたと言えそう。最後のクラシックへのオッズは201対1が出されましたが、ブックメーカーの目は不利があって2着惜敗のエクセス・ナレッジに注目したようで、こちらには8対1と、より高いオッズが提示されています。

そして愈々サセックス・ステークス Sussex S (GⅠ、3歳上、1マイル)。7頭立てでしたが、レースは事実上3強対決。2000ギニーとセント・ジェームス・パレスで死闘を演じたドーン・アプローチ Dawn Approach とトルネード Toronade の三度目の対決に加え、4歳のGⅠ馬デクラレーション・オブ・ウォー Declaration Of War が参戦。挙げた順に、1番人気(10対11)、2番人気(11対4)、3番人気(7対2)の順に支持を集めていました。
レースも3強で決まり。ボルジャー陣営のペースメーカー、レイティール・モール Leitir Mor が逃げ、オブライエンのペースメーカーを務めるリプライ Reply が2番手。ドーン・アプローチは3番手から進み、後続2頭を待ちます。
勝負所、期待通り3強が進出しスリリングな叩き合いに入りましたが、先ず古馬のデクラレーション・オブ・ウォーが脱落。先手を取ったドーン・アプローチをトルネードが追い詰めるという前2戦のシーンが再現されましたが、今回はトルネードがゴール手前でクラシック馬を半馬身差し切ったという点がこれまでとは違っていました。2馬身半差が付いてデクラレーション・オブ・ウォーが3着、3歳と古馬との力量比較は歴然としてきました。

リチャード・ハノン厩舎、リチャード・ヒューズ騎手のコンビは、念願だった雪辱を果たしましたが、相手を讃えることも忘れていません。2頭の三回に及んだ死闘は、競馬史上に長く記憶されるでしょう。
トルネード陣営は、このあとクィーン・エリザベスⅡ世ステークスからBCに遠征する計画を否定していません。その過程でドーン・アプローチとの再戦が見られるか否かは、神のみぞ知る、でしょうか。

最後はヴィンテージ・ステークス Vintage S (GⅡ、2歳、7ハロン)。7頭が出走し、サセックスを制したハノン/ヒューズ・コンビのトールモア Toormore が5対4の1番人気に支持されていました。同コンビはこのレースを3連覇中ですが、以前の3頭は何れもニューマーケットのサパラティヴ・ステークスで好走してきた馬たち。今年の本命馬は前走レスターの新馬戦を勝ったばかり、ここ3年の馬に比べて信頼度は今一つというのが専門家の見解でもあります。

しかし勢いは止まりませんでした。先ず先手を取ったのは同じハノン厩舎でヒューズ騎手が選ばなかったエクスパート Expert 、2ハロン過ぎからはロッソ・コルサ Rosso Corsa がハナに立ってレースを牽引しましたが、期待通りトールモアが抜け、追い込むゴドルフィン(G2勝目を狙うアップルビー厩舎)のアウトストリップ Outstrip を首差抑えての優勝。1馬身半差でコヴェントリー・ステークス2着馬パーボールド Parbold が3着に入りました。
先に紹介したように、トールモアは前走レスター競馬場でデビュー勝ちしましたが、着差は首。今回も同じ首差の勝利ということで、抜けた存在ではないものの勝負強いということでもあるでしょう。2000ギニーには20対1のオッズが出されました。
なお、G戦ダブルを成し遂げたリチャード・ハノン、リチャード・ヒューズのコンビ、この日の最終レースにも勝ってハットトリックを達成しています。

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