ムーンライト・クラウド、2強対決を制す
漸く昨日の競馬のレポートまで辿り着きました。日曜日はフランス、ドーヴィル競馬場のG戦2鞍です。
何と言っても話題はモーリス・ド・ギースト賞 Prix Maurice de Gheest (GⅠ、3歳上、1300メートル)でしょう。good to soft の馬場に短距離の精鋭14頭が出走してきましたが、注目はダイヤモンド・ジュビリー、ジュライ・カップと短距離GⅠに連勝した英国の4歳馬レーサル・フォース Lethal Force 対 このレースを連覇したフランスの5歳馬ムーンライト・クラウド Moonlight Cloud 。
この待たれていた2強対決、人気は6対5のムーンライト・クラウドが勝り、レーサル・フォースは16対5の2番人気。地元フランスということで3連覇に期待が掛かります。
この夢のような2強激突、期待通りの結果が待っていました。逃げたレーサル・フォースを、中団大気のムーンライト・クラウドが捉える。その差は1馬身4分の3。4分の3馬身差3着にも3番人気(9対1)でジャージー・ステークス勝馬でダイアモンド・ジュビリー4着のゴードン・ロード・バイロン Gordon Lord Byron が入るという理想的な結果となりました。
しかも勝時計1分14秒33はコース・レコード。タイムと言い着順と言い、その内容は文句のつけようのない堂々たるGⅠ戦でもあります。
3連覇を達成したフレディ・ヘッド調教師は、マルシャン・ドール Marchand d’Or でもこのレース3連覇を成し遂げており、通算では6勝。同レースの最多勝利調教師でもあります。鞍上はティエリー・ジャルネ。
ムーンライト・クラウドは、今期初戦でポルト・マイヨー賞(GⅢ)に勝って2連勝。昨年のジャック・ル・マロワ賞と併せて4つ目のGⅠを手にし、今月のマロワではドーン・アプローチ Dawn Approach との2強対決が見物。今年のドーヴィル最大の呼び物になることは間違いないでしょう。
さてこの日はもう一鞍、ルー賞 Prix Reux (GⅢ、3歳上、2500メートル)という名称のパターン・レースも行われました。ヨーロッパのG戦はほぼ路線が確定していて新規の格上げは珍しいことですが、これは今年からGⅢに格上げされた一戦。これまではリステッド戦として施行されてきました。
レースの性格上ドーヴィル大賞典(GⅡ)のトライアルとして位置づけられるもので、レース名の「ルー Ruex」とは、南ドーヴィルに位置する共同自治区(コミューン)のこと。以前はもっと長い距離で行われていたそうですが、1970年代に現在の距離で落ち着いた、とあります。
その記念すべき第1回のG戦、6頭が出走し、パリ大賞典5着のオー・ルヴォアール Au Revoir が6対4の1番人気に支持されていました。
しかし優勝は2番人気(13対5)のトレ・ブルー Tres Blue 。4分の3馬身差2着に本命馬と同厩(ファーブル厩舎)、同馬主のモンクレール Montclair が入り、逃げたファースト・モヒカン First Mochican が短首差で3着。オー・ルヴォアールは5着敗退し、1・2着は共に3歳馬でした。
勝ったトレ・ブルーはアンリ=アレックス・パンタル師の管理馬で、ファブリース・ヴェロン騎乗。前走ドイツ・ダービー(GⅠ)で2着していた馬で、改めて最近のドイツ競馬のレヴェルが高いことを証明したと言えそう。凱旋門賞でも怖いのはドイツ、と見ても良さそうですね。
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