アヴニール・セルタン、トライアルを圧勝
昨日のドーヴィル競馬場も相変わらずの very soft 、雨は降っていなかったようですが、馬場が重いことに変りはありません。そんな中、ヴェルメイユ賞のトライアルとして知られるノネット賞 Prix de la Nonette (GⅡ、3歳牝、2000メートル)が行われました。
英国から登録していた1頭が取り消して7頭立て。しかしここは二冠牝馬アヴニール・セルタン Avenir Certain が仏オークス以来の実戦ということで、ファンの目も彼女の動向だけに注がれていたようです。もちろん3対5の圧倒的1番人気。
万全を期してペースメーカーを出走させてきた陣営、そのクリソール Crisolles (176対10、5番人気)が役目を果たしての逃げ、アヴニール・セルタンは5番手に控えます。そして勝負所、コンビを組むグレゴリー・ブノア騎手が本命馬にゴーサインを出した所で勝負あり。並ぶ間も無く僚友を交わすと、あとは追った所無しの1馬身半差で圧勝です。クリソールはそのまま2着を確保し、ジャン=クロード・ルジェ師のワン・ツー・フィニッシュ。後方から4番人気(6対1)のラヴェンダー・レーン Lavender Lane が追い込んで3着に入りました。
これでデビューから無傷の6連勝、G戦も仏1000ギニー、仏オークスに続く3連勝とパーフェクトな成績のアヴニール・セルタン、普通ならヴェルメイユ賞から凱旋門賞というローテーションでしょうが、この日61歳の誕生日を迎えたルジェ師は、ヴェルメイユをパスして凱旋門賞直行を明言しました。
あと400メートル伸びる距離を克服できるかという課題はありますが、この日は朝の調教と同じ程度の力での圧勝。ブノア騎手もまるでベビー・シッターの様な扱いで彼女を勝利に導いています。凱旋門賞のオッズはレース前の16対1から10対1程度にまで上がり、今年最も不気味な存在と言えそうです。
それにしても欧州3歳牝馬勢は強力で、今期まだ勝ち星が無いとは言いながら照準を連覇に絞っているトレーヴ Treve 、既にキングジョージで古馬も牡馬も一蹴したタグルーダ Taghrooda 、そしてアヴニール・セルタン。3人娘全てが凡走するとは考えにくい状況になってきました。
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