東西のGⅠ戦

ヨーロッパ競馬レポートでも書いたように、この週末は留守にしていました。土日のアメリカ競馬から、先ず8月3日のG戦3鞍を記録しておきましょう。この日は3鞍ながら、サラトガとデル・マーでは夫々GⅠがメイン。何れもBCへのステップレースとあって大注目です。

最初はサラトガ競馬場のホイットニー・インヴィテーショナル Whitney Invitational (GⅠ、3歳上、9ハロン)。勝馬にはBCクラシックの優先出走権が与えられるとあって、fast の馬場に8頭立て。去年のBCクラシック1・2着馬の出陣です。もちろん去年のこのレースに勝ってBCも制したフォート・ラーンド Fort Larned が6対5の1番人気。2着だったムチョ・マチョ・マン Mucho Macho Man は8対1の6番人気と期待を落としていました。
しかし本命馬は、この日はオフ。ダッシュの良かったムチョ・マチョ・マンをクラブハウス・ターンで交わした2番人気(7対2)の新星クロス・トラフィック Cross Traffic が鮮やかに逃げ切ってしまいます。4分の3馬身差2着には、パドックで暴れて獣医の診察を受けていたサクセスフル・ダン Succesful Dan が飛び込み、1馬身半差でムチョ・マチョ・マンが3着。フォート・ラーンドはスタート後のダッシュが付かなかったのが敗因か、一旦は3番手まで上がったものの5着敗退に終わりました。このレースを複数勝った馬はこれまで3頭しかおらず、4頭目を目指した本命馬は連覇成らず。
トッド・プレッチャー厩舎、ジョン・ヴェラスケス騎乗のクロス・トラフィックは、これがステークス初勝利ながら、ここまで4戦2勝2着2回とパーフェクトな成績を残してきた4歳馬。前走メトロポリタン・ハンデ(GⅠ)が2着、その前にもウェストチェスター・ステークス(GⅢ)でも2着しており、2番人気に推されるだけの実力を見せ付けていました。デビューは今年の1月と遅く、正に遅れて来たBC候補と言えましょう。血統的な裏付けも充分で、母ストップ・トラフィック Stop Traffic はサンタ・モニカ・ステークス、バレリーナ・ステークスとGⅠを2勝しています。このあとは8月末のウッドワード・ステークス(GⅠ)から一気に、出走権を獲得したBCクラシックを目指すでしょう。

次に一息入れて、マウンテニアー・カジノ競馬場の第44回ウエスト・ヴァージニア・ダービー West Virginia Derby (GⅡ、3歳、9ハロン)。fast の馬場に9頭が出走し、プリークネス・ステークス6着以来となるデパーティング Departing が7対5の1番人気に支持されていました。
スタートして余り無理せず後方7番手で待機したデパーティング、向正面から徐々に進出し、3~4コーナー中間地点であっという間に先頭に立つと、あとは独走。2着ルーラー・オブ・ラヴ Ruler of Love に8馬身4分の3の大差を付ける圧勝です。3着は3馬身4分の1差でアーカンソー・ダービー(GⅠ)馬で2番人気(2対1)のオーヴァーアナライズ Overanalyze 。
アルバート・ストール厩舎、ロビー・アルバラード騎乗のデパーティングは、これでイリノイ・ダービー(GⅢ)など7戦5勝。3連勝で臨んだルイジアナ・ダービー(GⅡ)の3着とプリークネスだけが敗戦という実績で、ベスト・クラスより僅かに下ながら、次のグループのベストと言える存在。せん馬であることもあり、未だ長い先の将来を考え、間を開けながら使っていく予定とのことでした。

最後にデル・マー競馬場からクレメント・L・ヒルシュ・ステークス Clement L. Hirsch S (GⅠ、3歳上牝、8.5ハロン)。こちらはBCレディーズ・クラシックの優先出走権を掛けた一戦で、fast の馬場に9頭が出走してきました。イーヴンの1番人気は、前年の覇者インクルード・ミー・アウト Include Me Out 。
しかし東海岸のGⅠ同様、こちらも連覇が掛かった本命馬は奮わず、前半は最後方から2番手を進んだ5番人気(10対1)のレディー・オブ・フィフティー Lady of Fifty が、第4コーナーで馬7頭分の大外から一気に追い込みを決め、3番人気(9対2)モア・チョコレート More Chocolate に1馬身半差を付ける逆転劇です。更に半馬身差で2番人気(4対1)でヴァニティー・ハンデ(GⅠ)を制したバイラーマ Byrama が3着。インクルード・ミー・アウトは4番手を進みながら8着に沈み、こちらも連覇成らず。
ジェリー・ホーレンドルファー厩舎、コーリー・ナカタニ騎乗のレディー・オブ・フィフティーは、昨年12月のバヤコア・ハンデ(GⅡ)以来の勝ち星。今期は4連敗中でしたが2着、3着(2回)、4着とそれなりには走っていました。前走ヴァニティー・ハンデでもバイラーマの2着。勝馬の共同馬主でもあり、3頭出しで臨んだホーレンドルファー師は、意外にもこれがデル・マーのGⅠ戦は初勝利で、もちろんこのレースも初。また今回初騎乗で制したナカタニ騎手は、1998年のシャープ・キャット Sharp Cat に続く二度目の制覇となります。

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