N響委嘱作がプロムスに登場
8月15日のプロムスはロイヤル・フィル、毎年のように登場している音楽監督デュトワによる得意のロシア/フランス・プログラムです。
加えて今年はポーランドの作曲家にスポット・ライトを充てるのも統一テーマ。生誕100年のルトスワフスキの他にシマノフスキ、グレツキ、パヌフニクなどのポーランド作品も選ばれるのが特徴で、この回はペンデレツキでした。
≪Prom 44≫
8月15日 プロムス 44
ストラヴィンスキー/花火
ペンデレツキ/合奏協奏曲
~休憩~
ドビュッシー/海
ラヴェル/「ダフニスとクロエ」第2組曲
ロイヤル・フィルハーモニック管弦楽団
指揮/シャルル・デュトワ
レナード・エルシェンブロイク(チェロ)
ダニエル・ミューラー=ショット(チェロ)
アルト・ノラス(チェロ)
冒頭のストラヴィンスキーは季節的にもピッタリな作品。
ホルンが6本も使われる作曲者初期の代表作で、そのホルンが次々とラッパを上に持ち上げて吹く個所があります。ここなどは視覚的にも花火の花が咲いているようで、音だけでは判らない楽しみもあったはず。
2曲目は愈々ペンデレツキ。3台のチェロと管弦楽のための協奏曲という珍しい編成で、明らかにバロック音楽を意識したもの。
日本の音楽ファンならご存知のように、これはデュトワが首席指揮者だった時代にN響がペンデレツキに委嘱したもので、献呈はデュトワその人。もちろん世界初演はデュトワ/N響で、2001年。その時はボリス・ペルガメンシコフ、トルルス・モルク、ハンナ・チェンがソロを担当しました。私もBS放送で聴いた覚えがあります。
以後フィラデルフィアやシカゴでも演奏され、今回がプロムスでの初演。ということはロンドンでは既に演奏されているのでしょう。今回と同じコンビかも。
更に面白いのは、この曲はショット社から出版されていて、スコア全曲がPDFで見られること。↓
http://www.schott-music.com/shop/products/show,167523,,f.html
私もパソコンでページ送りをクリックしながら聴きました。大きなディスプレイとクリック操作に慣れれば、これで結構楽しめます。
スコアが手元に無くても、作品の細部まで検討出来るとは実に便利な世の中になったものですな。
後半の2曲は説明を要さないでしょう。フランスの管弦楽曲を代表する名作。
それよりもインタヴューでデュトワがロンドン・デビューの頃を振り返って、同じRPOのリハーサルで団員が煙草をふかしたりお酒を飲んでいるのに吃驚したという話が面白かったですね。
海の第3楽章はファンファーレ入り、ラヴェルはもちろん合唱の入らない版。
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