クリーヴランド管のブラームス・シリーズ
プロムス最後の日曜日の夜、ワールド・オケの一つとしてアメリカから客演したクリーヴランド管のコンサートが行われました。
今年のブラームス・サイクル、ブダペスト祝祭管の交響曲第3・4番の後を引き継いだのがクリーヴランドの2回の演奏会です。二日に亘って行われたブラームス・チクルスを纏めちゃいましょう。
9月7日 ≪Prom 68≫
ブラームス/大学祝典序曲
イョルク・ヴィドマン Jorg Widmann/Flute en suit(イギリス初演)
~休憩~
ブラームス/交響曲第1番
クリーヴランド管弦楽団
指揮/フランツ・ウェルザー=メスト Franz Welser-Most
フルート/ジョシュア・スミス Joshua Smith
9月8日 ≪Prom 69≫
ブラームス/悲劇的序曲
イョルク・ヴィドマン Jorg Widmann/Teufel Amor(イギリス初演)
~休憩~
ブラームス/交響曲第2番
クリーヴランド管弦楽団
指揮/フランツ・ウェルザー=メスト Franz Welser-Most
ウェルザー=メストはもちろん現在のクリーヴランド管の首席指揮者です。クリーヴランドのブラームスと言えば、セル、マゼール、ドホナーニが何れも同オケとブラームス全集を録音していますから、言わば伝統の演奏と言えそうです。流石にブーレーズは無縁だったでしょうが・・・。
ということで今回の2曲も真に見事な出来。何れは新首席指揮者との全集もリリースされるでしょう。
ブラームスは以上で、注目は2日間共にブラームスに挟まれて取り上げられたイョルク・ヴィドマン。この秋、QエクセルシオとミンゲットQが立て続けにその「狩の四重奏」を演奏することで俄かに脚光を浴びています。
1973年生まれ、若いドイツの作曲家でクラリネット奏者でもありますが、自身のホームページはこちら。
作品のタグをクリックし、「狩の四重奏」を選ぶと、その演奏画像を見ることが出来ます。見たらぶっ飛ぶこと間違いなし、エクかミンゲットの演奏家に行きたくなりまっせ。
7日に演奏されたのはフルート協奏曲で、24分ほど。最後の楽章にバッハのバディヌリーの引用が出てきます。バディヌリーとは「冗談」のことですから、件の四重奏曲も含めてこの作曲家の方向性が判ろうというもの。
出版はショット社で、そのプロフィールはこちらの方が簡潔かも。楽譜は貸譜のみのようです。
http://www.schott-music.com/shop/persons/featured/42423/index.html
8日の作品は純粋にオーケストラ曲で、シラーの詩に基づいたもの。ショット社に詳しい解説がありますし、スコアもチョコッと見ることが出来ます。儲けもんですね。
http://www.schott-music.com/shop/9/show,252000.html
2日間ともアンコールがあり、7日はヨハン・シュトラウスの歌劇「騎士パスマン」から有名なチャルダッシュ。8日はブラームスのハンガリー舞曲第1番。ブラームスのアンコールはソウル・フィルとバッティングしましたが、未だ聴ける2つを聴き比べるのも一興。
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