仏セントレジャーは英国のV

土曜日に英愛の平場G戦がシーズンの幕を下ろしましたが、やや南のフランスではあと2週間ほどG戦が続きます。
で、昨日の日曜日はかつてフランス版セントレジャーとして知られたロワイアル・オーク賞 Prix Royal Oak (GⅠ、3歳上、3100メートル)。

馬場は very soft 、15頭が出走してきましたが、3歳馬は4頭という顔ぶれです。凱旋門賞当日に行われたカドラン賞組からの参戦が有力と見られ、18対5の1番人気に支持されたのは2着したタック・ド・ボアストロン Tac de Boistron の方。勝ったドイツ馬アルターノ Altano が2番人気(4対1)で続きます。タック・ド・ボアストロンは前々走でチェスターのリステッド戦に勝っており、そのときの2着馬キュバニータ Cubanita が前日ニューバリーでセント・サイモン・ステークス(GⅢ)に勝ったことも人気が高くなった一因です。
3歳馬では、英国から挑戦するオークス3着馬で前走パーク・ヒル・ステークス(GⅡ)に勝ったザ・ラーク The Lark と、前走ロワイアリュー賞(GⅡ)勝ちの地元馬エビーザ Ebiyza が有力。

馬場が重く、これと言った先行馬がいない中、逃げたのはスミオン騎乗のトレ・ロック・ダノン Tres Rock Danon 。タック・ド・ボアストロンはスタートして直ぐに後方に控えます。
いつものように末脚勝負となり、やや前が詰まり気味だった本命馬が外に出すと切れ味は鋭く、一気に突き抜けて2着に上がったブラジル馬ゴーイング・サムホェア Going Somewhere を5馬身突き放しての圧勝です。4分の3馬身差でアイルランドから遠征してきた障害レースの勝馬ミスユナイテッド Missunited が入る大健闘。アルターノは8着に終わり、3歳馬ではエビーザが5着、ザ・ラークも7着と奮わず、去年の勝馬レ・ボーフ Les Beaufs も10着に敗退しました。
2着したゴーイング・サムホェアは、南半球の凱旋門賞と呼ばれるカルロス・ペレグリニ大賞(GⅠ)の去年の勝馬で、ほとんど話題にはなりませんでしたが、先の凱旋門賞に挑戦し、9着に入っていました。この馬を基準にすれば、日本馬とのレヴェル差が推測できるかもしれませんね。

勝ったタック・ド・ボアストロンは、ニューマーケットに本拠を置くマルコ・ボッティ厩舎、マーチン・ハーレイ騎乗。ボッティ師の管理下に入ったのは今春からで、それまではフランスで調教されていた6歳馬。去年はモーリス・ド・ニエィユ賞(GⅡ、2800メートル)に勝っており、G戦は2勝目です。前走に比べて距離が短くなったことが、アルターノとの逆転に繋がったと言えるでしょう。
ボッティ師によれば、6歳にして未だ成長しており、なお数年は現役を続けられるとのこと。夏場の固い馬場は避け、秋が深まった重い馬場で本領を発揮するタイプ。今期はこれで終戦とし、来年の長距離GⅠ戦を目標にしていくでしょう。

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