2013ジュライ・ミーティング3日目と、

昨日の土曜日はニューマーケットのジュライ・ミーティング最終日でしたが、フランスからもビッグ・ニュースが入ってきました。先ずは順序として英国から。

ニューマーケット千穐楽のG戦は2鞍。最初は2歳馬によるサパラティヴ・ステークス Superlative S (GⅡ、2歳、7ハロン)。馬場はこの日も散水が行われて good to firm 、3日間通して同じコンディションでした。夏場とは言え、固い馬場が続くのは珍しい部類でしょう。
1頭が取り消して8頭立て。ロイヤル・アスコットのリステッド戦(チェシャム・ステークス)で4着だったサムホワット Somewhat が11対4の1番人気に支持されていました。たとえ勝てなくてもロイヤル・アスコットに参戦するということはステイタスの証。アスコットに出た馬、と言えばそれだけで一流と言うことになるということですね。

ムルタ騎乗のサムホワットは逃げ、もう一歩で勝利を手にするところでしたが、2番人気(7対2)のグッド・オールド・ボーイ・ルーキー Good Old Boy Lukey が追い上げて頭差の優勝。2馬身差でこれも7対2で並んでいたウォシャー Washaar が3着。順当な結果で収まっています。
イギリス北部から挑戦してきたリチャード・ファヘイ厩舎、ライアン・ムーア騎乗のグッド・オールド・ボーイ・ルーキーは、これで無傷の3連勝。ハミルトンでデビュー勝ちしたあとニューカッスルでも勝ち、今回表舞台に初登場した感がありましょう。更なる成長が楽しみな1頭です。

フィナーレのG戦は、開催を代表する伝統の短距離戦ジュライ・カップ July Cup 。クリプトン・ファクター Krypton Factor がゲートインで暴れて負傷し取り消すというアクシデントがありましたが、11頭の快速馬たちがスタートを切りました。このレースもロイヤル・アスコットでスピードを競った馬たちが主役で、キングズ・スタンド・ステークスでは初コースの不利がありながらも2着に健闘した南アフリカのシェイ・シェイ Shea Shea が3対1の1番人気。

逃げたのは、やはりロイヤル・アスコットでダイアモンド・ジュビリーを制した3番人気(9対2)のレーサル・フォース Lethal Force 。アダム・カービー騎手の積極的な騎乗と、固い馬場も手伝って圧巻の逃げ切り勝ちです。ダイアモンド・ジュビリーでも2着だったソサエティー・ロック Society Rock がここでも2着。アスコットで2馬身だった着差は1馬身半と若干縮まっていましたが・・・。更に4分の3馬身差でサファイア・ステークス勝馬で7番人気(16対1)だったスレード・パワー Slade Power が3着。シェイ・シェイは4着。勝ちタイムは1分9秒11と計時され、コース・レコード更新。馬場が如何に速かったかということであり、勝馬の積極的なレース内容が産んだものと言えましょう。
勝馬を管理するクライヴ・コックス師は、“ロイヤル・アスコットはラッキーだったと言われたが、これがこの馬の実力”と、胸を張っています。GⅠ2連勝は伊達じゃありませんね。

この日は一般開催のアスコットでもG戦一鞍。同じように good to firm で行われたサマー・マイル・ステークス Summer Mile S (GⅡ、4歳上、1マイル)は2頭が取り消して11頭立て。ロイヤル開催の幕開けクィーン・アン・ステークスで2着したアルジャマヘール Aljamaaheer が6対4の1番人気に支持されています。

レースは2頭出しゴドルフィンのペースメーカーを務めるフェイマス・ポエト Famous Poet が逃げましたが、後方に待機したアルジャマヘールの貫録勝ち。先に先頭に立った2番人気(7対1)マル・オブ・キラー Mull Of Killough を1馬身差し切っての優勝です。更に半馬身差で3番人気(9対1)ゲスト・オブ・オナー Guest of Honour が3着とこちらも順当な結果。
ロジャー・ヴァリアン厩舎、ポール・ハナガン騎乗のアルジャマヘールは、アスコットの前にロッキンジ・ステークスでも3着に入っており、GⅡにランクを落としたここでは格の違いを見せ付けた格好です。いずれGⅠ戴冠も実現するでしょう。

ここでフランスに飛びます。ロンシャン競馬場は先にパリ大賞典 Grand Prix de Paris (GⅠ、3歳牡牝、2400メートル)から。今年は8頭が出走してきましたが、仏ダービー参戦組からは1頭も出走しないという様変わりの様相。逆にトライアルのリス賞組が主力です。1番人気(7対10)は、その勝馬で3戦2勝のフリントシャー Flintshire

パーク・リール Park Reel の逃げを後方で待機したフリントシャー、直線では手応え良く抜け出し、2着の4番人気(10対1)マンダ―ウィ Manndawi に余裕のある1馬身半差を付けて圧勝。1馬身半差3着に英ダービー5着馬オコヴァンゴ Ocovango (4対1、2番人気)が入り、英ダービー4着のバトル・オブ・マレンゴ Battle of Marengo は後方から伸び無く7着敗退。
勝馬と3着馬を管理するアンドレ・ファーブル師は、パリ大賞典は何と12勝目。騎乗したマクシム・グィヨンも3勝目となります。
この勝利でフリントシャーの凱旋門賞へのオッズは急上昇、大勢は7対1ですが、5対1の本命を付けたブックメーカーもあります。父ダンジリ Dansili は、パリ大賞典に2006年のレイル・リンク Rail Link 、2007年ザンベジ・サン Zambesi Sun に次ぐ3勝目。レイル・リンクは凱旋門賞でディープインパクトを破った馬ですから、何とも不気味な存在。凱旋門7勝のファーブル師のこと、ニエル賞から本番と、きっちりローテーションも明確にしています。アル・カジーム Al Kazeem 、オルフェーヴルと並ぶ第3の馬誕生と言うグランプリでした。

もう一鞍は、グランプリの前に行われたモーリス・ド・ニエィユ賞 Prix Maurice de Nieuil (GⅡ、4歳上、2800メートル)。春のバルべヴィユ賞勝馬で、アスコット・ゴールド・カップは惨敗(11着)に終わったラスト・トレイン Last Train が6対4の1番人気です。

しかし結果は波乱。本命馬は、逃げた2番人気(2対1)レ・ボーフ Les Beaufs 共々4・5着と敗退し、優勝は3番人気(37対10)のヴェレマ Verema 。3番手に付け、後方から追い込むラ・ボム・ダムール La Pomme d’Amour に4分の3馬身差を付けての勝利。1馬身4分の1差でゴールドタラ Goldtara が3着。
アラン・ド・ロワイヤー=デュプレ厩舎、クリストフ・ルメール騎乗のヴェレマは、名前からも想像できるように、アガ・カーンの持ち馬。

Pocket
LINEで送る

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください