未完の大器、本格化

ヨーク競馬場の5月開催、最終日の昨日のG戦は一鞍でした。長距離チャンピオン・シリーズの一環となるヨークシャー・カップ Yorkshire Cup (GⅡ、4歳上、1マイル6ハロン)。
馬場は good 、日本なら稍重程度にまで回復し、1頭が取り消して12頭立て。7対2の1番人気は、前走2000ギニー当日に行われたジョッキー・クラブ・ステークス(GⅢ)に勝って漸く本格化の兆しが見えてきたゴスペル・コアー Gospel Choir 。相手は去年の仏セントレジャー勝馬で、今期もアスコットのサガロ・ステークス(GⅢ)に勝って衰えを知らない7歳のステイヤー、タック・ド・ボアストロン Tac de Boistron が4対1の2番人気で続きます。

レースは前年の覇者グレンズ・ダイアモンド Glen’s Diamond が逃げましたが、去年の様には楽に逃げさせて貰えません。全12頭がほぼ6馬身の塊となって直線に。
スタンド側の外から進出した本命ゴスペル・コアー、後方から追い込むタック・ド・ボアストロンとの一騎打ちを首差凌ぎ切って見事人気に応えました。半馬身差で5番人気(10対1)のタイガー・クリフ Tiger Cliff が3着、グレンズ・ダイアモンドは8着敗退です。

サー・マイケル・スタウト厩舎、ライアン・ムーア騎乗のゴスペル・コアーについては、前回ジョッキー・クラブ・ステークスのレポートで詳しく紹介しましたが、3歳時はスタウト師のダービー候補だった馬。故障がちで、5歳馬ながらこれが未だ11戦目とキャリアの浅い1頭です。今回は長距離戦に勝ちましたが、ムーア騎手は距離には不安を感じていたそうで、極力馬のスタミナを温存すべく好騎乗で勝利に導きました。
スタウト師は、ロイヤル・アスコットはゴールド・カップではなくハードウィック・ステークスを狙いたい意向。やはり本当の意味でのステイヤーではなさそうです。因みに父はあのガリレオ Galileo 。
一方2着のタック・ド・ボアストロンは、GⅠ勝ちのペナルティー4ポンドを背負っての首差。こちらは文句ないステイヤーで、躊躇うことなくゴールド・カップを目指すでしょう。

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