仏シーズン最後のGⅠ戦

フランスの平場シーズンも愈々フィナーレが近付いてきました。今週はメゾン=ラフィットで業務員のストライキあり、GⅢ戦3鞍が中止(未だ代替は決まっていないと思われます)となり、残るは明後日トゥールーズで行われるGⅢ戦一鞍を残すのみです。
昨日サン=クルーで行われたクリテリウム・ド・サン=クルー Criterium de Saint-Cloud (GⅠ、2歳牡牝、2000メートル)は、フランスの平場シーズン最後となるGⅠ戦。今年が丁度100回目を迎える節目の年でもありました。

馬場は heavy 、2歳馬にとって2000メートルの距離はかなりの負担で、近年では後にクラシック路線に乗る様な馬は出走してきません。今年は12頭が参戦し、ここまでにパターン・レースに走った経験があるのは僅か2頭だけ。それも共にGⅢで一度だけ4着しただけの成績で、シーズン末とは言え、GⅠ戦としてはそのレヴェルに疑問符が付くのも止むを得ません。
そんな中で2対1の1番人気に支持されたのは、アイルランドからエイダン・オブライエン厩舎が送りこんできたメコン・リヴァー Mekong River 。4戦4勝ながら小さいレースばかりでの勝利で、前走レパーズタウン競馬場のリステッド戦勝ちが唯一目立つもの。今年もアイルランドのリーデング・ジョッキーを獲得したジョセフではなく、シーマス・ヘファーナンが遠征してきました。もちろん負担重量(9ストーンでの騎乗)の関係からです。

大外に近い11番枠から出たメコン・リヴァー、一気に内に切れ込んでハナに立ち、逃げ作戦。しかし前走からあまり間隔が開いていなかったこと、馬場が余りにも重いこともあって最後はバテて4着まで。替って鋭く伸びたのは、前半は前から15馬身も離されて最後方に待機していた2番人気(33対10)のプリンス・ジブラルタール Prince Gibraltar 。スタンド側を鮮やかに抜けると、同じく後方待機策から伸びた出走馬中唯一の牝馬ベレニ・カ Bereni Ka を5馬身突き放しての圧勝です。1馬身4分の3差で先行した英国馬(マーク・ジョンストン厩舎)ハートネル Hartnell の順。3着からメコン・リヴァーまでも5馬身差が開いていました。
プリンス・ジブラルタールは、名前の通りロック・オブ・ジブラルタール Rock of Gibraltar 産駒で、これが3戦目。シャンティーのデビュー戦で3着、前走メゾン=ラフィットで初勝利を挙げたばかりの栗毛馬です。
管理するジャン=クロード・ルジェ師は、去年のモランディ Morandi に続きクリテリウム連覇で、1996年のシャカ Shaka と併せて3勝目となります。プリンス・ジブラルタールは、数週間前にアレックス・パンタル厩舎から転厩してきたばかりで、ルジェ師もビックリの末脚でした。またゴールして拳を突き上げたクリストフ・スミオンは、2005年のリンダズ・ラッド Linda’s Lad に続きこのレース2勝目。スミオンは6日前に、何とオートイユ競馬場で障害レースにも初騎乗したという才人。パリッ子の心を掴むスターでもありますね。

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