ヴェールを脱いだドビュッシー

と言っても音楽の話じゃありません。馬に興味の無い方はここで「戻る」をクリックして下さい。さようならぁ~~。
さて、昨日は去年の6月以来久し振りにエプサム競馬場のゲートが開きました。ニュー・アプローチがダービーに勝った後、スタンド改築のためにずっとクローズされていたのですね。
この改築工事、掛かった費用が38ミリオン・ポンドと言いますから、日本円に換算すると54億円くらいでしょうか。
新装成ったグランド・スタンドは Duchess of Cornwall スタンドと呼ばれ、コーンウォール公爵夫人が参列して開場のテープカットが行われています。
エプサムでは毎年のダービー開催の前、4月下旬に春開催が行われていました。ここでダービーに向けてのトライアル戦、ブルー・リバンド・トライアル・ステークスが施行されるのです。ブール・リバンド Blue Riband とはダービーのこと。
実は去年、競馬場は既に改築の準備に入っていたためダービー開催だけは例年通り行われたのですが、4月開催は中止され、代替レースがノッティンガム競馬場で開催されていた経緯があります。
ブルー・リバンド・トライアル・ステークス、かつてはパターン・レースの一つに組み込まれていましたが、近年はほとんどダービーに繋がらなくなったためでしょうか、一種の条件戦に格下げされています。
それでも独特のグラデーションを誇るエプサムの難コース、ここを経験しておくことが本番で生きてくることは間違いありません。
今年は未だ能力が未知の俊英7頭が顔を揃えました。11対4の1番人気に支持されたドビュッシー Debussy は未だこれが3戦目という若武者。
ゴスデン厩舎の秘密兵器との噂も高く、ジミー・フォーチュンの期待に応えての快勝。2着は1馬身4分の1でミッドデイ Midday 、3着は更に4分の3馬身でポップマーフィー Popmurphy が入っています。
これで3戦2勝のドビュッシー、ダービーに勝つにはまだまだ超えなければならない高い壁があるのは事実ですが、馬主は何とヨルダンのハヤ王女。と言えば、去年のニュー・アプローチ New Approach でダービーを制覇した王女です。
去年のダービー以来となるエプサムで、ニュー・アプローチと同じ勝負服の馬がトライアルを制したのですから、スタンドが沸こうというものじゃありませんか。
ドビュッシーの父はダイシス Diesis 、母はオペラ・コミーク Opera Comique 、母の父はジングシュピール Singspiel という血統。全て音楽繋がりの名前が付いていますね。
ダイシスって音楽用語か? と疑問に思われる方もいるでしょう。本来は印刷用語でダブル・ダガーのこと。即ち第3の引用記号です。この記号がシャープを意味するので、ダイシスとはダブル♯の意味にも通ずるわけ。
詳しい話はダイシスの血統を紐解かねばなりませんが、それはドビュッシーがダービーに勝った時のネタに取っておきましょう。
まだダービーに向けてのオッズが出た程度の段階ですから。
ゴスデン師によれば、ドビュッシーはこの後チェスター・ヴァーズで下り坂を経験させ、結果が良ければ6月の第1土曜日にエプサムに戻ってくる由。
ここはジックリ注目しましょう。

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