アーカンソー・ダービーは無名のダンザ

一息入れて、次は競馬フェスティヴァル最終日を迎えたオークローン・パーク競馬場のレポートです。

この日は伝統のレースが二つ、先ずはかつてGⅠに格付けされていたオークローン・ハンデキャップ Oaklawn H (GⅡ、4歳上、9ハロン)から。fast の馬場、1頭が取り消して6頭立てで行われました。2対5の断然1番人気に支持されたのは、GⅠ2勝馬で去年のBCクラシックでハナ差2着のウイル・テイク・チャージ Will Take Charge
レースは最低人気(25対1)のライト・トゥー・ヴォート Right to Vote が逃げ、ウイル・テイク・チャージは一旦は最後方に下げる展開。直線、外を回って追い込んだ本命馬は、中程で内に刺さりながら2番人気(3対1)のゴールデン・ラッド Golden Lad をチェック、更に最後の競り合いでも結果2着に入った3番人気(5対1)のレヴォリューショナリー Revolutionary に接触するなど左に寄れながらも4分の3差先着。半馬身差でカーヴ Carve が3着に入りましたが、スティーヴンス(ゴールデン・ラッド)とスミス(レヴォリューショナリー)の名手二人からの異議申し立てを待たずとも長い審議に。最終的には着順通りで確定しましたが、冷や冷や物の本命馬の勝利となりました。
この審議にも自信があったウェイン・ルーカス厩舎、ルイス・サエズ騎乗のウイル・テイク・チャージは、去年トラヴァース・ステークスとクラーク・ハンデでGⅠに2勝。他にもレベル・ステークス(GⅡ)、ペンシルヴァニア・ダービー(GⅡ)も制しており、5つ目のGタイトルとなります。もちろん今期はBCクラシック制覇が目標でしょう。

オークローンの最後、メイン・イヴェントはもちろんダービーへの道、アーカンソー・ダービー Arkansas Derby (GⅠ、3歳、9ハロン)。1頭が取り消して8頭立て。バファート厩舎の評判馬で、ステークスは未出走ながら無敗のバイエルン Bayern が8対5の1番人気、ここを通過してダービーの有力馬に伸し上がることが出来るでしょうか。
そのバイエルン、ダッシュ良く飛び出し、持ち前のスピードを活かして逃げ切りを図りましたが、直線中程で一杯。替って伸びてきたのが、1枠発走を利して終始インコースを通ったブービー人気(40対1)の伏兵ダンザ Danza 。何と最後は後方2番手から追い込むライド・オン・カーリン Ride On Curlin を4馬身4分の3差突き放していました。半馬身差でバイエルンは3着、2番人気(2対1)のタピチュア Tapitua も4着止まり。
無名のダンザを一気にダービー候補に仕立てたのは、アーカンソー・ダービー4勝目となるトッド・プレッチャー師、去年のオーヴァーアナライズ Overanalize に続く連覇となります。鞍上はジョー・ブラーヴォ。ダンザは去年4月にベルモントで新馬勝ちした馬で、サラトガ・スペシャル(GⅡ)は3着していましたから当日記では登場済み。前走ガルフストリームのアローワンス戦は3着で、今回が未だ4戦目と言う新星です。血統的には3月にサンタ・アニタのトーキョー・シティー・カップ(GⅢ)に勝ったマジェスティック・ハーバー Majestic Harbor の半弟に当たり、中々の筋金入りと言えましょう。適材適所でダービー候補を各地のレースに使い分けてくるプレッチャー師、果たしてダービーはどんな陣容で迎えるのでしょうか。

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