ロドリゲス騎手、サラトガ最多勝利記録を更新
3日連続でG戦が行われるアメリカ、中日の日曜日は3場4鞍。サラトガでは夏開催最後のGⅠ戦が行われました。
最初にモンマス・パーク競馬場のサプリング・ステークス Sapling S (GⅢ、2歳、6ハロン)。馬場は fast 。翌日にサラトガで行われるホープフル・ステークスと掛け持ちで登録している馬も多く、最終的には有力馬2頭を含む4頭が取り消して6頭が出走してきました。前走サラトガのサンフォード・ステークス(GⅡ)で4着したブレイヴ・デイヴ Brave Dave が押し出されるように8対5の1番人気。
スタートで躓いた本命ブレイヴ・デイヴでしたが、直ぐに体勢を立て直して先頭を奪い、そのまま最後方から追い上げたスペシャル・ジョー Special Jo を4分の3馬身抑えて期待に応えました。4馬身半差で2番人気(9対5)のドラム・ロール Drum Roll が3着。
エドワード・プレーサ厩舎、パコ・ロペス騎乗のブレイヴ・デイヴは、6月30日にカルダー競馬場で新馬(6ハロン)勝ち。そのあとサンフォードを使い、これが3戦目となります。
次にサラトガ競馬場から2鞍。サラナック・ステークス Saranac S (芝GⅢ、3歳、9ハロン)は firm の芝コースで行われ、メインコースに変更があった時のみ登録していた1頭は出走せず、予定通り10頭立てで行われました。ヴァージニア・ダービー(芝GⅡ)2着馬のラッキー・チャッピー Lucky Chappy が6対5の1番人気。
レースは伏兵(11対1、7番人気)スカイリング Skyring が大逃げを打つ展開。他馬を引き離したまま直線に入りましたが、5番手を進んだ5番人気(10対1)のアンブライドルド・コマンド Unbridled Command が直線で抜け出し、ゴールでは逃げたスカイリングを半馬身捉えて優勝。本命ラッキー・チャッピーも伸びましたが1馬身及ばず3着に終わりました。
トーマス・ブッシュ師が管理するアンブライドルド・コマンドは、これがステークス初勝利ながら3連勝。師によれば、今回初めて同馬に騎乗したラモン・ロドリゲスでなければもっと人気が無かっただろうとのこと。ドミンゲスはこの日これが6勝目と大当たりで、遂に2004年にジョン・ヴェラスケス騎手が記録した開催65勝を更新し、サラトガ開催のレコードとなる66勝目をマークしたことになります。
そして日曜日のメインは、今サラトガ開催15番目にして最後となるGⅠ戦のスピナウェイ・ステークス Spinaway S (GⅠ、2歳牝、7ハロン)。メインコースは fast 、2頭が取り消して5頭立ての競馬になりました。3対5の1番人気に支持されたティーン・ポーリーン Teen Pauline は、7月25日のデビュー戦を4馬身4分の3差で快勝した馬。
そのティーン・ポーリーンが先頭で逃げましたが、コーレイル Corail との競り合いでスピードを消耗したか、3番手を追走した3番人気(7対2)ソー・メニー・ウェイズ So Many Ways に並び掛けられると抵抗する力もなく後退、結局3着に終わりました。差し切ったソー・メニー・ウェイズと2着に追い込んだ最低人気(22対1)スイート・シャーリー・メー Sweet Shirley Mae との着差は2馬身半、更にティーン・ポーリーンとは2馬身差が付いていました。
去年のグレース・ホール Grace Hall に続き、アンソニー・ダトロウ調教師はスピナウェイ2連覇で2勝目。騎乗したハヴィエル・カステラノは初勝利です。勝たれて見ればソー・メニー・ウェイズは、前走スカイラーヴィル・ステークス(GⅢ、1番人気)を含め無傷の3戦3勝。3番人気は不当だったかもしれませんね。
最後はカリフォルニアから、デル・マー競馬場の第68回デル・マー・ダービー Del Mar Derby (芝GⅡ、3歳、9ハロン)。芝コースは firm 、出走枠10頭を上回る11頭が登録していましたが、最終的には1頭が除外されてフルゲートの10頭立て。東海岸からチャレンジしてきたジャージー・ダービー馬のハウ・グレート Howe Grat が5対2の1番人気に支持されていました。
しかしスタートから先手を取った4番人気(6対1)マイ・ベスト・ブラザー My Best Brother の逃げ脚は快調、3番手から追走したハウ・グレートを4分の3馬身抑えて逃げ切りました。3着は1馬身差で後方から追い込んだ2番人気(7対2)のブラザー・フランシス Brother Francis 。
デル・マーの3歳牡馬路線は、一般ステークス(ヨーロッパならリステッド戦)のオーシャンサイド・ステークス、ラ・ホヤ・ハンデ(芝Ⅱ)と進んでデル・マー・ダービーで所謂3冠を形成します。ラ・ホヤのレポートでも紹介したように、今年はオーシャンサイドが多頭数のため分割、一転してラ・ホヤは4頭立てと少頭数の競馬になりました。そして3冠最後はフル・ゲートの10頭。終わって見れば、ダービーを制したマイ・ベスト・ブラザーがオーシャンサイド分割Aも制して2冠達成、しかもラ・ホヤはハナ差の2着でしたから、3冠ニアミスという結果になりました。ラ・ホヤは1番人気での惜敗、ここは人気を落としていましたが、G戦初勝利ながら夏のカリフォルニアで最強3歳牡馬のタイトルを獲得したことになります。
勝馬を管理するジュリオ・カナーニ調教師は、デル・マー・ダービーを得意にしている方。何とこれが1988年シルヴァー・サーカス Silver Circus 、1998年レディース・ディン Ladies Din 、1999年ヴァル・ロイヤル Val Royal 、2004年のブラックダウン Blackdoun に次ぐ5勝目となります。もちろん同レースの最多勝記録。騎乗したマーチン・ガルシアにとっては初勝利です。
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