前走の再戦

ヨーロッパ競馬、5月最初のG戦はサン=クルー競馬場のミュゲ賞 Prix Muguet (GⅡ、4歳上、1600メートル)です。soft の馬場に9頭立て。GⅡ戦ということで直近1年でGⅡに勝った馬は3ポンドのペナルティーが課せられますが、これに該当するのは昨秋ニューマーケットでチャレンジ・ステークスに勝ったフィエソラナ Fiesolana 。5歳牝馬ですが、ペナルティーにより牡馬と同じ負担重量で出走します。昨秋以来の休み明けということもあって141対10の6番人気と評価は下がっています。
一方、23対10の1番人気に支持されたアガ・カーンのコカルタッシュ Kokaltash は、前走同じ1マイルのエドモン・ブラン賞(GⅢ)で強烈な追込みで2着惜敗した4歳馬。このときの勝馬ソマーアーベント Sommerabend (26対5、3番人気)を凌ぐ人気になっていました。叩かれ良化という判断でしょう。

レースはウェルザイマー兄弟の出走馬2頭の内の先行馬アノディン Anodin が逃げ、最後の1ハロンまで先頭。しかしここから展開はガラリと変わり、終始外を回って先行していたソマーアーベントが抜けると、後方から追い込む伏兵(154対10、7番人気)マトリオ Matorio を1馬身4分の1差抑えてG戦連勝です。人気のコカルタッシュも馬場にも拘わらず良く伸びましたが、更に1馬身遅れの3着。フィエソラナは久々と馬場が堪えたか、6着に沈んでいます。
エドモン・ブラン賞(4月9日の日記)レポートで詳しく書いたように、ソマーアーベントはミレック・ルレック師の管理馬で、前走に続きジェラール・モッセ騎乗。3年前、4歳時にGⅡに勝っていましたが、古いことでペナルティーの対象ではありませんでした。陣営は、いずれは種牡馬として供用する予定のため、更に箔を付けるべく世界中のマイルG戦を狙っていくでしょう。

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