6月28日のアメリカ競馬(1)
昨日のアメリカ競馬は5つの競馬場で合計12鞍のG戦と盛りだくさん。こちらの都合でいくつかに分けて報告することに致します。
レース結果が入ってきた順と言うことで、最初はチャーチル・ダウンズ競馬場から。ここはG戦2鞍で、最初はバシュフォード・マナー・ステークス Bashford Manor S (GⅢ、2歳、6ハロン)。アメリカでは今年最初の2歳G戦です。fast の馬場に6頭立て。デビューとなった前走を快勝したシンコー・チャーリー Cinco Charlie が6対5の1番人気。
スタートから先頭に立ったシンコー・チャーリー、一旦は2番手を追走した5番人気(9対1)のシルヴァーヒル Silverhill に並び掛けられましたが、直線では余裕を持って引き離し、シルヴァーヒルに1馬身4分の3差を保って期待に応え、デビューからの2連勝を飾りました。4馬身差が付いて3番人気(3対1)のスカイウェイ Skyway が3着。スタートから付いて行けなかったドロウ・ナイ Draw Nigh が途中でレースを中止しています。
スティーヴン・アスムッセン厩舎、シャウン・ブリッジモハーン騎乗のシンコー・チャーリーは、サンタ・アニタ・ダービー馬でケンタッキー・ダービー3着インディアン・チャーリー Indian Charlie の最後の産駒の1頭に当たります。デビューもここチャーチル・ダウンズでした。馬名はオーナーが所有しているボートから採られたそうな。
続いては芝コースのファイアークラッカー・ステークス Firecracker S (芝GⅡ、3歳上、8ハロン)。8頭が出走し、去年のBCマイル(芝GⅠ)4着のシルヴァー・マックス Silver Max がBC以来の休み明けながら6対5の1番人気。
スタートから先頭に立ったシルヴァー・マックス、そのまま後続を寄せ付けず、堂々の逃げ切り勝ちです。1馬身半差の2着争いは大混戦で、写真判定の結果4番人気(7対1)のニッキズ・サンドキャッスル Nikki’s Sandcastle がハナ差で去年の勝馬ガイズ・リワード Guys Reward を抑えて2着。そのあと4着のヴィランドリー Villandry も首差と言う僅差でした。
勝馬と3着馬を管理するデール・ロマンス師は、このレース4勝目。ロビー・アルバラードが騎乗していました。シルヴァー・マックスは去年、ダートに変更されたシャドウェル・ターフ・マイルで年度代表馬のワイズ・ダン Wise Dan を破ったこともある5歳馬で、G戦はオーシャンポート(芝GⅢ)、バーナード・バラック(芝GⅡ)に続いて4勝目。
次はニューヨークに戻り、ベルモント・パーク競馬場に行きましょう。2鞍のG戦のうち、先に行われたのがマザー・グース・ステークス Mother Goose S (GⅠ、3歳牝、8.5ハロン)。1頭が取り消して5頭立てとなり、ケンタッキー・オークス馬アンタパブル Untapable が1対9の1本被りの大本命。愛ダービーのオーストラリアをも上回る配当の低さとなりました。
スタート直後に逃げた2番人気(8対1)のプリンセス・ヴァイオレット Princess Violet に寄られてチェックを余儀なくされたアンタパブルでしたが、その後は何の問題も無く、3番手追走から抜け出しての独走。プリンセス・ヴァイオレットに9馬身4分の1差を付ける圧勝でオッズを証明しました。首差でアメリカ America が3着。
管理するスティーヴン・アスムッセン師は、このレース3勝目。チャーチル・ダウンズのシンコー・チャーリーに続きこの日G戦2勝目です。アンタパブルにはデビューからナプラヴニクが騎乗してきましたが、今回は調教中の事故で負傷したためジョン・ヴェラスケスに乗り替わり。ヴェラスケスにとっては6勝目となるマザー・グースでした。陣営はこのまま牝馬のGⅠを勝ち続けるより牡馬に挑戦することを選択するようで、CCAオークスは避けて牡牝混合のGⅠ戦に向かうとのこと。
ベルモントのもう一鞍は、芝のニュー・ヨーク・ステークス New York S (芝GⅡ、4歳上牝、10ハロン)。去年は3歳上の条件でした。firm の馬場に6頭立て。英国から移籍し、前走シープスヘッド・ベイ・ステークス(芝GⅡ)でアメリカ初勝利を挙げたリポスト Reposte が6対5の1番人気。
ブラジル出身の長距離馬ヴィーヴァ・ラファエラ Viva Rafaela が逃げましたが、前半4番手に控えていたリポストが先行馬を外から捉え、2番人気(3対2)タンネリー Tannery に1馬身4分の1差を付けて快勝、G戦2連勝を飾りました。3馬身差で逃げたヴィーヴァ・ラファエラが3着。
ウイリアム・モット厩舎、ジョエル・ロザリオ騎乗のリポストは、英国時代はロイヤル・アスコットでリブルスデール・ステークスを制した馬。芝の10ハロンは最も得意とする距離でしょう。
もう一つシカゴの競馬も取り上げてしまいましょうか。アーリントン・パーク競馬場のシカゴ・ハンデキャップ Chicago H (GⅢ、3歳上牝、7ハロン)。1頭取り消しがあって9頭立て。アローワンス戦を2連勝中のタペタ・コース巧者ディスコ・バービー Disco Barbie が8対5の1番人気。
しかし今日圧巻だったのは、5対1の人気を背負ったマイ・オプション My Option 。前半は6番手辺りを追走していましたが、第4コーナーでは馬群を割るように進出し、2着フラワー・スペル Flower Spell に6馬身半差を付ける圧勝。人気のディスコ・バービーは1馬身4分の1差で3着でした。
クリス・ブロック厩舎、エドゥアルド・ペレス騎乗のマイ・オプションは、去年7月にアーリントン・オークス(GⅢ)に勝って以来の勝利。今期は4月にホーソン競馬場の一般ステークスで3着したあと、連闘でカナダのGⅢに遠征して6着。一呼吸入れてここに臨んでいました。
ここまでで一旦区切りを付け、残るプレーリー・メドウズとサンタ・アニタは別途稿を改めます。
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