6月28日のアメリカ競馬(2)

前回に続いてはサンタ・アニタ競馬場のG戦4鞍をレース順に取り上げましょう。先ずはロイヤル・ヒロイン・ステークス Royal Heroine S (芝GⅡ、3歳上牝、8ハロン)から。firm の芝コースに10頭立て。前走ゲイムリー・ステークス(GⅠ)で1番人気になりながら3着に終わったパランダ Parranda が2対1の1番人気。
レースは2番人気(4対1)のカスリーン・ローズ Kathreen Rose が逃げ、パランダは2番手に付けていましたが、3番手を追走していたダチェッサ Dutchessa が出し抜けを食わせるようにスパート。一旦は3番手に下がったパランダでしたが、攪乱作戦には動じす、カスリーン・ローズとの叩き合いを首差制して人気に応えました。2馬身差で4番手を追走していたムーラン・ド・ムガーン Moulin de Mougin が3着。
ジェリー・ホーレンドルファー厩舎、エルヴィス・トルヒーヨ騎乗のパランダは、これが4つ目のステークス優勝で、G戦は3勝目。今年初めにホーレンドルファー厩舎に移り、最初のウイルシャー・ステークス(芝GⅢ)に勝っており、新厩舎では3戦2勝となります。GⅡは初勝利。

続いては短距離GⅠのトリプル・ベンド・ステークス Triple Bend S (GⅠ、3歳上、7ハロン)。去年は勝馬にBCへの優先出走権が与えられましたが、今年はサンタ・アニタに移ったこともあってBC対象ではありません。1頭取り消しての6頭立て。fast の馬場でイーヴンの1番人気に支持されたのは、メトロポリタン・ハンデなどGⅠ馬のサハラ・スカイ Sahara Sky でした。
レースはスタートから3頭の激しい先手争い。結局は1番枠発走の利を活かした2番人気(2対1)デクラッシファイ Declassify が逃げ切ってしまいました。一旦は2番手を進んだ3番人気(5対1)のサイクロメター Cyclometer に交わされましたが、内ラチ沿いにハナ差で差し返してのGⅠ戴冠です。3着は1馬身4分の3差で最低人気(30対1)のインデクシカル Indexical が食い込み、サハラ・スカイは最下位6着と大敗。
ボブ・バファート厩舎、マーチン・ガルシア騎乗のデクラッシファイは、アローワンス戦勝馬からGⅠ馬へと大飛躍。しかしバファート師はいずれGⅠを取る器と期待していた馬で、ステークスでの実績が無いのに人気があったのはそのためでした。

サンタ・アニタの3つ目はセニョリータ・ステークス Senorita S (芝GⅢ、3歳牝、8ハロン)。去年は5月初旬の開催でしたが、今年は1か月以上遅れての施行となりました。1頭取り消して10頭立て。人気が割れる中、ゲーリー・スティーヴンス騎乗のフェイマス・アリス Famous Alice が3対1の1番人気に支持されていました。
レースは伏兵(18対1)ディスリガーデッド Disregarded の逃げ、前半5番手の内を追走していた6番人気(10対1)のシーザ・スモーク・ショウ Sheza Smoke Show が経済コースを通っての抜け出し勝ち。1馬身4分の1差で本命フェイマス・アリスが6番手から追い込み、更に半馬身差でモーニング・フィックス Morning Fix が3着。
ピーター・ユールトン厩舎、ジョセフ・タラモ騎乗のシーザ・スモーク・ショウは、今年3月の一般ステークス5着以来の休養明け。その前1月にはここサンタ・アニタで未勝利戦とアローワンス戦に連勝しており、今回がG戦デビューでした。

サンタ・アニタの最後は、ゴールド・カップ・アット・サンタ・アニタ The Gold Cup at Santa Anita (GⅠ、3歳上、10ハロン)。何とも味気ないレース名ですが、要するにハリウッド・ゴールド・カップから変更されたもので、一応は勝馬にBCクラシックへの優先出走権が与えられる一戦。その意味ではハリウッドを受け継いでいます。7頭立て、競馬場が変更されたとは言いながらゴールド・カップ3連覇が掛かったゲーム・オン・デュード Game On Dude が4対5の断然1番人気。
スタートでいつものポジションである先頭に立った本命馬でしたが、この日は2番人気(7対2)のフューリー・カプコーリ Fury Kapcori が果敢にハナを主張したため2番手に控える展開。第3コーナー手前で仕掛け、一旦は先頭に立ったゲーム・オン・デュードでしたが早くも一杯。そのあとはズルズルと後退し、結局は4着と期待を裏切ります。替って先頭に立ったのは、3番手を追走していた5番人気(14対1)の6歳馬マジェスティック・ハーバー Majestic Harbour 、3番人気(5対1)クラブハウス・ライド Clubhouse Ride に6馬身4分の1差を付ける圧勝でした。1馬身4分の3差で4番人気(6対1)のインペラティヴ Imperative が3着に入り、ゲーム・オン・デュードは更に4馬身半差。
番狂わせを演じたマジェスティック・ハーバーは、これがGⅠ初勝利となるシーン・マカーシー師の管理馬で、タイラー・ベイズ騎乗。同馬は3月末にトーキョー・シティー・カップ(GⅢ)に勝った馬で、それがマカーシー師にとってもG戦初勝利でもありました。その辺りの経緯は3月の日記を読み返してください。

ということで、波乱のサンタ・アニタを一纏めにして見ました。

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