芝の長距離、本当に強いのは？
日曜日もアメリカではＧ戦が続きます。３場で３鞍。
先ずモンマス・パーク競馬場のフィリップ・Ｈ・イズリン・ステークス Philip H. Iselin S (ＧⅢ、３歳上、９ハロン)から行きましょう。fast の馬場に３頭が取り消して５頭立て。前走モンマス・カップ(ＧⅡ)に勝ったヴァリッド Valid が４対５の１番人気。
そのヴァリッドが先頭に立ち逃げ切りを図りましたが、第３コーナーで各馬が一斉に仕掛けて一団。３番手に付けていた２番人気(７対５)のパンツ・オン・ファイア Pants on Fire が抜け出しましたが、最後方に待機していた３番人気(７対１)のバランス・オブ・パワー Balance of Power が外に出して追い込み、パンツ・オン・ファイアに半馬身差を付けて優勝。２馬身４分の３差でヴァリッドは３着に終わりました。
デヴィッド・ジャコブソン厩舎、チャールズ・ロペス騎乗のバランス・オブ・パワーは、これがステークス初勝利であると同時にＧ戦初制覇。前走デラウェア・パークの一般ステークス(カール・ハンフォード・メモリアル、これがステークス・デビュー)２着を含めて連続２着からの挑戦でした。
続いてサラトガ競馬場からはソード・ダンサー・インヴィテーショナル・ハンデキャップ Sword Dancer Invitational H (芝ＧⅠ、３歳上、１２ハロン)。前日アーリントン競馬場で同じような条件のアーリントン・ミリオンが行われましたが、ただでさえ層の薄いアメリカの芝コース長距離戦、才能の分散が問われても仕方がないでしょう。firm の馬場、アメリカ調教馬としてはアーリントンより頭数の多い７頭立て。どれが勝っても不思議ではないメンバーが揃う中、前走ユナイテッド・ネーションズ・ステークス(ＧⅠ)で既にＧⅠホースとなったメイン・シークエンス Main Sequence が２対１の１番人気。
レースは２番人気(５対２)でマンノー・ウォー・ステークスに勝ったこれもＧⅠ(マンノウォー・ステークス)馬のイマジニング Imagining が先頭で直線。そのまま逃げ切るかと思われましたが、出遅れたスタートから後方２番手を進んだメイン・シークエンスが直線では大外を回り一気の末脚。最後の一歩、ゴール寸前でイマジニングを頭差捉えてＧⅠ２連勝を果たしました。４分の３馬身差で３番人気(３対１)のトゥワイライト・エクリプス Twilight Eclipse が３着。
グレアム・モーション厩舎、ラジーヴ・マラー騎乗のメイン・シークエンスは、３歳時には英国で調教されダービー２着の実力馬。そのプロフィールはユナイテッド・ネイション・レポート(７月７日の日記)をご覧ください。前日のアーリントン・ミリオンでは地元のハーデスト・コア Hardest Core がサプライズを演じてＢＣ出走権を獲得しましたが、メイン・シークエンスも前走ユナイテッド・ネイションズで同じＢＣターフの出走権を手にしています。未だ本番までは１１週もありますが、アメリカの芝長距離戦、本当に強いのはどちらでしょうか？
最後はデル・マー競馬場のランチョ・ベルナルド・ハンデキャップ Rancho Bernardo H (ＧⅢ、３歳上牝、６．５ハロン)。２頭が取り消して４頭立てと寂しいメンバーながら、去年のＢＣフィリー・アンド・メア・ターフ・スプリントで２着同着だったルネースゴットジップ Reneesgotzip がＢＣ以来の出走とあって４対５の断然１番人気。
レースは最低人気(１２対１)のアマランス Amaranth が逃げ、ルネースゴットジップは２番手追走。直線、逃げ馬を捉えに掛かった大本命でしたが、外に寄れるような素振りで一杯。前半は離れた３番手を追走していた２番人気(６対５)のジュディー・ザ・ビューティー Judy the Beauty が前の２頭を一気に交わすと、最後方を進んだマダム・カクタス Madame Cactus に１馬身４分の１差を付けて優勝。ルネーズゴットジップは更に２馬身４分の３差離された３着に終わりました。３着と言っても４頭立て、単なる休み明けの凡走だったのでしょうか。
ウェスリー・ワード厩舎、マイク・スミス騎乗のジュディー・ザ・ビューティーも去年のＢＣ(フィリー・アンド・メア・スプリント)２着馬ですが、３月にサンタ・アニタでラ・フローレス・ステークス(ＧⅢ)、４月にもキーンランドでマジソン・ステークス(ＧⅠ)に連勝して順調さでは勝っていました。２頭のＢＣ２着馬対決は、やはり順調度が勝負を決した印象です。
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