フィッシャーのフランス音楽

早いもので今年のプロムスも2週間が経過しました。全体の5分の1。27日のコンサートは、名フィルの指揮者としてお馴染みのティエリー・フィッシャー指揮のBBCウェールズ管によるフランス音楽です。

7月27日 ≪Prom 14≫
ラヴェル/高貴にして感傷的なワルツ
サイモン・ホルト Simon Holt/Morpheus Wakes (BBC委嘱 世界初演)
ラヴェル/ラ・ヴァルス
     ~休憩~
デュリュフレ/レクイエム
 BBCウェールズ・ナショナル管弦楽団
 指揮/ティエリー・フィッシャー Thierry Fischer
 フルート/エマニュエル・パユ Emmanuel Pahud
 ソプラノ/ルビー・ヒューズ Ruby Hughes
 バリトン/ジェラルド・フィンレー Gerald Finley
 合唱/BBCナショナル・コーラス、ウェールズ・ナショナル・ユース・コーラス

今年のプロムスにはいくつかのテーマがありますが、隠れテーマとも言えるのがラヴェル特集。オーケストレーションの名手による様々な作品が取り上げられます。
その第一弾がこれでしょう。前半は新作初演を挟んで二つのワルツが演奏されました。

さて今回の新作は、1958年生まれの英国の作曲家・ホルトの新作です。今回のオケ、BBCウェールズ管のアソシエーション・コンポーザーを務めていて、そのための作品も多いようですね。
作品のタイトルとなっているモルフェウスはギリシャ神話の「眠りの神」ですから、その神を起こすということでしょうか。実態はフルート協奏曲で、ベルリン・フィルの名手パユが演奏します。
全体は15分ほどの2楽章。最初の楽章はアルト・フルートのために書かれ、全曲の半分以上(11分)を占めます。第2楽章は通常のフルートが登場。これもチェスターから出版されるようで、既に曲目解説も書かれています。

http://www.musicsalesclassical.com/composer/work/714/46726

パユの超絶技巧に大歓声。

後半はフォーレの姉妹作とも言われるデュリュフレのレクイエム。この曲は3種類の版があり、NMLでも混乱があるようです。編成の小さい順に、①オルガン伴奏版 ②小管弦楽版 ③大管弦楽版 ですが、今回はもちろん③による演奏。
全体は9楽章、グレゴリアン・チャントの引用から始まる美しい作品で、合唱団のレパートリーからは外せません。フォーレと同じように、二人の独唱者の出番は極めて控え目です。

Pocket
LINEで送る

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください