ランニクルス第一弾

8月2日のプロムスはキス・ミー・ケイトの公演と言うことで小欄はパス。1日置いて3日の演奏会を聴きました。

ということで、今や英国のみならず世界の巨匠の仲間入りを果たした感のあるドナルド・ランニクルス、今年のプロムスにも3種類のプログラムで登場します。日本では余り知られていませんし、私も実演に接したことはありませんが、ネットで聴いただけでも巨匠風の指揮に圧倒されます。
日本でも何処かのオケに客演して欲しい所で、差し当たってはN響が呼ぶべきでしょうネ。左効きの指揮者ではベルグルンドが知られていますが、それも話題になりそう。となれば日フィルかな、相性が良さそうなのは読響か。プロムス後半ではベルリン・ドイツ・オペラとサロメの全曲を取り上げます。これが最大の聴きもの。

そのランニクルス、第一弾がこれ。

8月3日 ≪Prom 23≫
ジョン・マクレアド John McLeod/The Sun Dances (ロンドン初演)
ベートーヴェン/交響曲第4番
     ~休憩~
モーツァルト/レクイエム(ロバート・レヴィン版)
 BBCスコティッシュ交響楽団
 指揮/ドナルド・ランニクルス Donald Runnicles
 ソプラノ/キャロリン・サムソン Carolyn Sampson
 メゾ・ソプラノ/クリスティーネ・ライス Christine Rice
 テノール/ジェレミー・オヴェンデン Jeremy Ovenden
 バス/ニール・デイヴィス Neal Davies
 合唱/スコットランド・ナショナル・ユース・コール

ランニクルスが首席指揮者を務めるBBCスコティッシュ響とは二夜連続。最初に取り上げられたマクレアド(日本ではマクロードと表記されています)は、スコットランド生まれの作曲家(1934-)。公式ホームページはこちらから。

http://www.johnmcleod.uk.com/

今回がロンドン初演となった The Sun Dances は、演奏時間11分ほど。日の出の色彩を描いたもので、初演は我が湯浅卓雄が振っています。

あとは日本でも頻繁に演奏されるベートーヴェンとモーツァルト。詳しく触れる必要もないでしょう。
ベートーヴェンの第4、繰り返しは全て実行し、第3楽章と第4楽章はアタッカで休みなく演奏されました。その前のパウゼでは、プロムスならではの楽章間拍手が入ります。

後半のモツ・レクは、私共がこれまで聴いてきたジュスマイヤー版とは若干異なるアメリカの音楽学者ロバート・レヴィンの校訂版。とは言ってもジュスマイヤーとは大きな違いはありません。
他にもバイヤー版、モーンダー版など様々な試みのあるレクイエムですが、レヴィン版というのは何処から出版されているのでしょうか。ブルックナーの交響曲の様に、1曲で何種類もスコアを揃えなければならないのは勘弁してもらいたいと思いました。

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