マロワはファーブル師のワン・ツー

昨日の日曜日は、3日間連続で行われたドーヴィル競馬場のG戦シリーズ最終日、馬場は又しても very heavy と重く、3日間通して力の要るコースで行われました。
8月16日はG戦2鞍、メインは1マイルのチャンピオン・シリーズの一つであるジャック・ル・マロワ賞ですが、その前に。

秋に開花する長距離牝馬を探す一戦でもあるミネルヴァ賞 Prix Minerve (GⅢ、3歳牝、2500メートル)は10頭立て。これが未だ3戦目と経験は浅いながら、前走マユレ賞(GⅡ)で2着したヤージー Yaazy が3対1の1番人気に支持されていました。
同じアル・シャカブの所有、アンドレ・ファーブル厩舎の2頭でもあるジョイント2番人気(33対10)アル・ナーマー Al Naamah のペースメーカーを務めるシャハー Shahah がペースを作り、アル・ナーマーは4番手、本命ヤージーは後方待機。この重馬場で人気馬も良く追い上げましたが、中団6番手に付けていたジョイント2番人気のカンダリーヤ Candariya の末脚が最も切れ、ヤージーに4分の3馬身差で優勝。アル・ナーマーも半馬身差で3着でした。

勝ったカンダリーヤはアガ・カーンの所有馬で、アラン・ド・ロワイヤー=デュプレ厩舎、アラン・バデル騎乗。正に秋になって本格化しそうなタイプで、今期2戦目にシャンティーの条件戦(2400メートル)に勝つと、ロンシャンで何れも長距離の条件戦(2500メートルと2400メートル)に連勝し、これで4連勝。2歳時のデビュー戦と今期初戦は共に2着でしたから、100%馬券に絡んできました。順調ならヴェルメイユ賞から凱旋門賞という路線でしょうが、現時点では陣営のコメントなどは入電していません。

そしてジャック・ル・マロワ賞 Prix Jacques le Marois (GⅠ、3歳上牡牝、1600メートル)。1頭が取り消して9頭立て。グレンイーグルス Gleneagles もソロウ Solow も出走してきませんでしたが、2頭のチャンピオンを追う馬たちが揃う豪華メンバー。2000ギニーはグレンイーグルスの2着で、前走ジャン・プラ賞でGⅠ馬の仲間入りを果たしたゴドルフィンの3歳馬テリトリーズ Territories が6対5の1番人気。
レースは前走グッドウッドでレノックス・ステークス(GⅡ)を制したジョイント4番人気(96対10)のトールモア Toormore が逃げ、2ハロン地点からは同じく英国から遠征の6番人気(127対10)エスティドカー Estidhkaar が競り掛ける流れ。馬場が重いにも拘わらず、テリトリーズは後方3頭の中でジッと我慢の構え。
しかし直線、レースは一気に後方待機馬たちが追い上げる展開となり、馬群を割って伸びた2番人気(33対10)のエソテリク Esoterique が、外から迫るテリトリーズに1馬身半差を付けて快勝。更に1馬身半差で7番人気(269対10)のドイツから遠征してきた伏兵ワイルド・チーフ Wild Chief が3着に入りました。以下、ジョイント4番人気のライトニング・スペア Lightning Spear が4着、トールモアは5着。

勝ったエソテリク、2着のテリトリーズは共にアンドレ・ファーブル師の管理馬で、前者はエドワード・ロスチャイルド氏の所有でピエール=シャルル・ブードー騎乗、後者はゴドルフィンの所有でミケール・バルザロナが騎乗していました。共に馬場を問題にせず瞬発力を発揮し、秋のマイル戦での更なる活躍が期待できそうな内容だったと言えるでしょう。
エソテリクは3歳時には仏1000ギニーで2着、仏オークスは7着だった5歳牝馬。去年のドーヴィルでロッシルド賞を制してGⅠ初勝利を挙げましたが、勝鞍はそれ以来ほぼ1年ぶり。しかしその間もムーラン4着、サン・チャリオット4着で4歳シーズンを終え、今期もミュゲ賞(GⅡ)3着から始動し、クイーン・アンはソロウの2着、先週のモーリス・ド・ギーストも短距離王ムハーラー Muhaarar の2着と常にGⅠ戦線で入着してきた堅実な馬です。
この後は去年同様ムーランからサン・チャリオットというローテーションが有力ですが、クィーン・エリザベスⅡ世ステークス、BCマイルの選択肢もあり、共に5対1のオッズが提示されました。

 

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