クァルテット・エクセルシオ第13回定期

クァルテット・エクセルシオの第13回定期演奏会を聴くべく、上野の東京文化会館小ホールに出掛けました。昨日、6月26日です。

と言っても、あまり書くこともありません。第一生命ホールのラボで初めて彼等に魅了されてから、出来るだけ聴き、聴けば感想を書いてきましたからね。旧招き猫で紹介したのは、多分私が最初よ。

今回のプログラムは、前半がベートーヴェンの最初の弦楽四重奏曲作品18-1(事実上の1番じゃありませんけど)とバルトークの第5番。後半はベートーヴェンの最後の弦楽四重奏曲作品135。

プログラミングの意図は明らかですが、それ以上に前半2曲はエク創設の頃から何度も手がけ、緻密に練り上げてきた作品。いわば総決算的な意味合いもあったのだろうと想像します。
ナマの演奏会は、どうしてもプログラムの最初はスロースタート、次第に調子を上げて・・・、ということが多いし、彼等にもそういう傾向は時折感じられますが、今日は最初から完璧な仕上がりでした。
その分後半の盛り上がりはイマイチの感じが残ったとしても、それは耳の錯覚というもの。コンサート全体を通して極めて完成度の高い演奏だった、と言うべき。

ところで今回は初めて?サイン会がありました。念願のCDが完成し、本日只今販売に至ったようで、22日の試演会には間に合わなかった由。その湯気が立ち上っているような出来立てホヤホヤを取敢えず2枚求めました。
ほとんど同時に売場に顔を見せたS先生、最初は1枚の積りが結局は3枚お買い上げ~。“別に張り合っているんじゃありませんがね、あげたい人が2人ほど思い当たったので・・・”と、お互い照れ笑い。
私としては差当たってプレゼントのあてがありますが、他にも思い浮かびますね。クァルテット・エクセルシオを聴いたことがない方、是非知って欲しい方・・・。これから折を見て行動に移す予定。

会場を見渡せば、かなりの方がCDを買ったみたい。エク・ファンは皆待っていたんでしょう。下世話なことを言えば、第1弾がある程度捌ければ次のステップに繋がるのが道理。選曲もそれを睨んだ構成になっています。
(内容はベートーヴェンの「ハープ」、シヤリーノの第7番の世界初録音、ディーリアスの「去りゆくつばめ」、ボーナスとして幸松アレンジ版による日本民謡集から2曲。即ち彼等の歩みの縮図である定期・ラボ・アウトリーチを代表する曲目が並んでいるわけ)

今朝は早くに目が醒めたので、枕もとでベートーヴェンの「ハープ」を早速聴いてみました。演奏も録音もエクセルシオ! 自信を持って薦められるCDです。
今年(2007年)3月、入善でのスタジオ録音。ジェイズミュージックという小さなレーベルですが、直接音とホールトーンのバランスが見事。エクセルシオのライヴを眼前に彷彿とさせます。

ライナー・ノーツは当然ながら渡辺和氏筆。エクの出自から将来展望まで、簡潔に纏められて一読の価値あり。知っているようで知らなかったことがズラリ。“へぇ~、そうだったの!”
曲目解説に英語版も掲載されているのは、海外を意識している証拠。クァルテット・エクセルシオの新たな一歩を喜びましょう。

 

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