2016クラシック馬のプロフィール(1)

2016年度、ヨーロッパ競馬のクラシック馬血統紹介の第1回です。英愛仏3か国のクラシック・レース全13鞍の勝馬に付いて主にその牝系を辿って行くシリーズ、もちろん全て勝馬が異なれば13頭を取り扱うことになりますが、果たして今年はどうか・・・。
第1回はもちろん英2000ギニーを制したガリレオ・ゴールド Galileo Gold です。

ガリレオ・ゴールドは父パコ・ボーイ Paco Boy 、母ガリキュイーズ Galicuix 、母の父ガリレオ Galileo という血統。馬名に入っているガリレオは母の父由来の名前ですね。
父パコ・ボーイは3,4,5歳時に夫々フォレ賞(7ハロン)、クィーン・アン・ステークス(1マイル)、ロッキンジ・ステークス(1マイル)と7ハロンから1マイルまでのGⅠ戦に3勝した馬で、マイラーと定義付けて良いでしょう。
因みにパコ・ボーイ自身のクラシック出走は仏2000ギニーのみで、ファルコ Falco の7着に終わっています。ガリレオ・ゴールドはその2年目の産駒で、クラシック馬はガリレオ・ゴールドが初勝利となりました。

母ガリキュイーズ(2008年 栗毛)はツェガ・ブリーディングという法人?が生産してオーナーでもあった馬で、現役時代はニューマーケットでルカ・クマニ師が調教していました。競走馬としては3歳時に2戦、4月サンダウンの10ハロン戦でデビューして12頭立ての12着、続いて5月ソールズベリーの10ハロン戦でも10頭立ての10着。僅か2戦して1頭の馬も抜けなかったという、完全な失敗ケースと言って良いでしょう。
4歳で繁殖入りし、ガリレオ・ゴールドが初産駒となります。

直ぐに2代母に行きましょう。クライジア Clizia (2002年 芦毛 父マキャヴェリアン Machiavellian)は未出走。競走馬としての実績は何もないので、その産駒を概括すると、
2007年 リツィオ Lizio 鹿毛 牡 父タイガー・ヒル Tiger Hill 未出走
2008年 ガリキュイーズ
2009年 ゴールドリーム Goldream 黒鹿毛 せん 父オアシス・ドリーム Oasis Dream キングズ・スタンド・ステークスとアベイ・ド・ロンシャン賞に勝った短距離GⅠ馬 現役
2010年 スピリチュアル・ガール Spiritual Girl 芦毛 牝 父インヴィンシブル・スピリット Invincible Spirit マイケル・ベル厩舎所属 2歳から3歳まで6戦し未勝利。2歳戦最後のナーザリー戦での2着が最高。

このあとの繁殖成績は見当たらないので、海外に輸出されたのか早逝したのか、その辺りは現時点では不明です。
産駒で唯一注目されるのがゴールドリームで、上記GⅠに2勝したのは何れも6歳時、つまり去年の勝鞍。当競馬ブログでも何度も登場していますから、ブログ内で検索して頂ければレース内容やプロフィールを読むことが出来ます。短距離で活躍したのは、もちろん父オアシス・ドリームのDNAが強く出ているのでしょう。

次いで3代母キュイーズマラ Cuixmala (1991年 芦毛 父ハイエスト・オナー Highest Honor)。この馬もまた未出走で、競走成績は皆無です。調べた限りでは7頭の産駒がありますが、ガリレオ・ゴールドの2代母の他で目立った成績のあるのはクライジアの半兄に当たるモン・ロシェー Mont Rocher のみ。
これはカーリアン Caerleon を父に持つせん馬で、フランスとイギリスで走り34戦11勝。G戦の勝鞍はありませんがリステッド戦に5勝、ドーヴィル大賞典(GⅡ)3着などステイヤーとして活躍し、2400メートルから3100メートルで6連勝したこともあるタフな馬でした。

3代母までは目立った活躍馬が見当たらない牝系ですが、4代母フロリペデス Floripedes (1985年 鹿毛 父トップ・ヴィル Top Ville)に至ると状況は一変。GⅠ級の馬が続々と登場してきます。
実はこの牝系、7年前にも当シリーズで取り上げたことがあります。それが2009年に愛1000ギニーに勝ったアゲイン Again のプロフィール紹介で、アゲインの母カンブレス Cumbres (1993年 鹿毛 父カヤージ Kahyasi)がキュイーズマラと2歳違いの半姉妹に当たるのです。

従って、ここでは折角ですから7年前に調べたことを参照していただくことにしましょう。こちらをクリックして下さいな↓

2009クラシック馬のプロフィール(6)

これでお仕舞にしても良いのですが、2009年5月以降に生じた事実を若干付け加えることでこの稿を閉じることにしましょう。

先ず我が国との関連を期すと、アゲインの項では中山のグッドラック・ハンデに勝ったターキーについてのみ紹介しました。その後カーラ・パワー Carla Power の産駒では、
2004年生まれのワキノパワーが京都の1800メートル戦の春日特別に勝ち、
2008年にはマイルチャンピオンシップを制したダノンシャークが登場します。この馬は富士ステークス(GⅢ)と京都金杯(GⅢ)にも勝ち、他に1600メートルから1800メートルの特別戦に3勝していることはご存知の通り。また、
2009年生まれのレイカーラも鎌ヶ谷特別(中山1800メートル)、弥彦特別(新潟1800メートル)、ターコイズステークス(中山1600メートル)と特別に3勝しました。

叔父に短距離馬ゴールドリームがいるガリレオ・ゴールドの牝系ですが、配合する種牡馬によって名ステイヤーモンジュー Monjeu を産んだり、アイルランドのクラシック馬、日本の名マイラーを輩出してもいます。
マイラー、パコ・ボーイとの配合で2000ギニーを制したガリレオ・ゴールド、ダービーで距離延長に挑むか、確実にマイル路線で頂点を目指すが、暫く関係者の悩みは続くでしょう。

ファミリー・ナンバーは1-u。メイド・オブ・ザ・グレン Maid of the Glen (1858)を基礎とする牝系です。

 

 

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