もう一つのバヤコア

昨日のアメリカは3連休の中日、アーカンソー州のオークローン・パーク競馬場では今年からGⅢに格上げされた「お初」のG戦が行われました。
その名はバヤコア・ステークス Bayakoa S (GⅢ、4歳上牝、8.5ハロン)。バヤコア・ステークス、あるいはバヤコア・ハンデと言えばハリウッド競馬場で行われていたGⅡ戦ですが、どうも昨日のレースは同じ名称の別レースのようでややこしい限りです。去年のバヤコアは閉鎖されたハリウッドからロス・アラミトスに移管されて施行されましたが、それは例年通り12月のこと。
一方オークローンのバヤコアは1992年に創設されたレースで、開催の目玉でもあるアップル・ブロッソム・ハンデを頂点とする三冠路線のスタートに位置します。実はバヤコアの前哨戦として1月にはピッピン・ステークス Pippin S という一般ステークスが行われており、その後は来月中旬のアゼリ・ステークスを経てアップル・ブロッソムというのがそのローテーション。去年と一昨年は、ドント・テル・ソフィア Don’t Tell Sophia がピッピン/バヤコアのダブルを共に2連覇という快挙を達成していました。

ということで昨日は fast の馬場に10頭立て。上記の様に1月17日に行われたピッピン・ステークスに勝ったムファージャー Mufajaah が3対2の1番人気。10頭中7頭までがピッピンにも出ており、ほぼ同じメンバーによる再戦というイメージです。勝ったムファージャーにはそのことによるペナルティーも無いので、これが1番人気に推されるのは当然でしょう。
レースは最初から3頭ほどが入れ替わり立ち代わりハナを争いましたが、結局は並んだ2番人気(4対1)のゴールド・メダル・ダンサー Gold Medal Dancer の逃げで落ち着きます。前走も待機策で制したムファージャーは定位置の最後方から。逃げ馬を追って8番人気(21対1)のパール・ターン Pearl Turn が2番手に上がり、これをムファージャーと後方3番手から追い上げる同じ2番人気のフラッシー・アメリカン Flashy American が外から急襲して4頭の争い。最後は大外のムファージャーが首差フラッシー・アメリカンを抑えて人気に応えました。半馬身差でゴールド・メダル・ダンサーが3着。2・3着は共にピッピン・ステークスには出走していなかった馬たちです。
ダニエル・ぺイツ厩舎、エマヌエル・エスキヴェル騎乗のムファージャーは、ピッピン・ステークスに次いでの連勝でG戦初制覇。彼女はこの競馬場と相性が良く、ここまで5勝の内4勝がオークローン・パークでのもの。去年2月の初勝利と、それに続くアローワンス戦。そして今年のステークス2連勝です(もう一鞍はチャーチル・ダウンズのアローワンス戦)。しかしオーナーのシャドウェル・スタッド(総裁はシェイク・ハムダン氏)の方針では、所有する牝馬は4歳で種付けするとのことですから、バヤコアはムファージャーの引退レースとなる可能性が強いようです。もちろんぺイツ師はその方針が覆り、アゼリからアップル・ブロッソム挑戦が実現することを期待しているのですが・・・。

 

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