繁殖入りするはずが

昨日のヨーロッパG戦は、リングフィールド競馬場のチャートウェル・フィリーズ・ステークス Chartwell Fillies S (GⅢ、3歳上牝、7ハロン)一鞍のみでした。

しかしこのG戦は余り話題にはなっておらず、スポーティング・ライフもレーシング・ポストもニュースとしては扱っていません。むしろその前に行われたオークス・トライアルとダービー・トライアルの方が話題性もあり、共にリステッド戦ながら夫々が単独の記事になっているほどです。
当欄はG戦優先が主旨ですから、このGⅢを先ずは取り上げましょう。

馬場は good 、所により good to soft という発表で、2頭が取り消して11頭立て。3歳馬も4頭が参戦してきました。5対2の1番人気に支持されたのがその3歳馬の1頭で、前走ニューマーケットでネル・グィン・ステークスで2着したニュー・プロヴィデンス New Providence 。日本的常識なら追加登録料を払ってでもトライアル2着から1000ギニーに向かうのでしょうが、恐らく1マイルは長過ぎると判断したのでしょう、敢えて7ハロンで古馬に挑戦してきました。
レースは5番人気(8対1)のフレスレス Fresles が逃げて良く粘っていましたが、これをマークして進んでいた7番人気(16対1)の伏兵マジェスティック・クィーン Majestic Queen が捉え、3番手から追い上げる本命ニュー・プロヴィデンスを2馬身寄せ付けず完勝でした。後方から追い込んだ4番人気(8対1)のエヴィータ・ペロン Evita Peron が4分の3馬身差で3着。

人気の盲点だったマジェスティック・クィーンは、アイルランドでトレシー・コリンズが調教、ウイリアム・ビュイック騎乗の5歳馬。去年4歳時の6月にG戦初挑戦となったバリオーガン・ステークス(GⅢ)に勝っており、4歳シーズンを最後に引退して繁殖に上がる予定だった由。
ところが同馬のオーナーの気が変わり、今年も現役に留まることに。前走4月19日のグラッドネス・ステークス(GⅢ)に出走して11頭立ての8着に終わっていました。今回は去年の1000ギニー2着馬(ライトニング・サンダー Lightning Thunder 、3番人気で9着)やG戦の常連アル・サキーラ Al Thakhira (2番人気、6着)などの強豪相手を破る殊勲。陣営でも今後の青写真を見直すべく、嬉しい悲鳴を上げていました。

最後にリングフィールドのクラシック・トライアルを短く。

リングフィールド・オークス・トライアルに勝ったトゥージュール・ラムール Toujours L’amour はオークスに登録が無く、追加登録料を払ってでもオークスに参戦する可能性は低いと思われます。

一方リングフィールド・ダービー・トライアルを制したキリマンジャロ Kilimanjaro はオブライエン/ムーアのコンビですが、この勝利によってダービーのオッズが33対1に上がった程度の馬。仮にダービーに出走したとしても、ムーアが選ぶとは思えません。

 

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