5月30日のアメリカ競馬
本来なら昨日の日曜日・午前中にアップする筈だった5月30日のアメリカ競馬、一日安房の方角を回っていたので、一日遅れの競馬日記となります。従って未だ日本ダービーも見ていないという不謹慎。
それはさておき、先週のアメリカは予告したようにG戦は4鞍。ベルモント・ステークスを1週後に控え静かな週末でもありました。先ずはダービーの舞台だったチャーチル・ダウンズ競馬場のアリスタイデス・ステークス Aristides S (GⅢ、3歳上、6ハロン)から行きましょう。fast の馬場に7頭立て。注目は去年のBCスプリントの覇者ワーク・オール・ウィーク Work All Week で、BC以来の休養明けにも拘らず単勝2倍を切る3対5の1番人気。
ブービー人気(23対1)のアルゼンチン産馬グーグルアドゥー Googleado が逃げ、ワーク・オール・ウィークは3番手から2番手へと急がずに進出。しかし第3コーナーと第4コーナーの中間地点では早くも前を交わし、先頭で直線。これを4番手でマークしていた2番人気(5対2)のアルスヴィッド Alsvid が外から本命馬に迫り、直線中程で交わすとワーク・オール・ウィークに2馬身差を付ける逆転劇でした。4馬身半差で5番人気(20対1)のネイツ・マインシャフト Nates Mineshaft が3着。
これがチャーチル・ダウンズでステークス初勝利となったクリス・ハートマン厩舎、クリス・ランデロス騎乗のアルスヴィッドは、前走カウント・フリート・ハンデ(GⅢ)を含めて3連勝。去年はワーク・オール・ウィークと二度対戦して2回とも敗れていましたが、三度目の正直で雪辱。今度はGⅠ戦でチャンピオンを破りたいところでしょう。
二つ目は、ペン・ナショナル競馬場のペン・マイル Penn Mile (芝GⅢ、3歳、8ハロン)。初めて聞くレース名かと思いますが、今年が設立されて3年。ペン・ナショナル競馬場でグレード・レースが行われるのもこれが初めてのこととなります。ペンシルヴァニア州の競馬場ながら、経営はハリウッド・カジノ。競馬場のオープンは1972年8月で、芝コースが設けられたのは一昨年のこと。ペン・マイルは芝コース開始と同時に設立されたレースと言うことになります。
firm の馬場に11頭立て。サンタ・アニタの芝コースで2連勝中のパパクールパパクール Papacoolpapacool が3対1の1番人気。
レースは先ず9番人気(70対1)のギャラリー Gallery 、次いで8番人気(24対1)のコマンチズ・ストーム Comanche’s Storm が逃げましたが、2頭の伏兵は共に脱落。替って4番人気(9対2)のナイト・プロウラー Night Prwoler が直線で先頭に立ち逃げ込むところ、前半馬群の中8番手に控えていた6番人気(9対1)のフォース・ザ・パス Force the Pass が馬群を割って抜け出し、ナイト・プロウラーを頭差捉えて優勝。4分の3馬身差で2番人気(7対2)のグラニーズ・キッテン Granny’s Kitten が3着に入り、パパクールパパクールは7着敗退。
アラン・ゴールドベルク厩舎、ジョエル・ロザリオ騎乗のフォース・ザ・パスは、今年4月にガルフストリームの一般ステークス(カトラー・ベイ・ステークス)でステークス初勝利。前走5月16日のピムリコでも一般ステークス(ジェームズ・マーフィー・ステークス)で2着しており、これがステークス2勝目でG戦初勝利。これで5戦3勝の通算成績となります。
最後はサンタ・アニタ競馬場の2鞍。先に行われたGⅠのアメリカン・オークス American Oaks (芝GⅠ、3歳牝、10ハロン)は、firm の馬場に1頭が取り消して6頭立て。前走ハネムーン・ステークス(芝GⅡ)に勝って3戦2勝、未だ底を見せていないスパニッシュ・クィーン Spanish Queen が3対5の1番人気に支持されていました。
レースは2番人気(5対1)のフェザード Feathered が逃げ、スパニッシュ・クィーンは終始内の3番手追走。直線に入ると先行2頭の外に持ち出した本命馬、逃げるフェザードを4分の3馬身差捉え切って見事人気に応えました。更に4分の3馬身差でやはり2番人気(5対1)のコンシューマー・クレジット Consumer Credit が最後方から追い込んで3着。内から伸びようとしたコンシューマー・クレジットは内が開かず、外に持ち出しての末脚は次回に繋がるものと見えました。
奇しくもこの日が54歳の誕生日だったリチャード・バルタス厩舎、ブライス・ブラン騎乗のスパニッシュ・クィーンは、3月に5馬身以上の差を付けるデビュー勝ち。4月4日にプロヴィデンシア・ステークス(芝GⅢ)で首差2着した後、G戦2連勝でGⅠホースのタイトルを獲得しました。長年競走馬を所有してきたオーナー・グループにとっても、これが嬉しいGⅠ初勝利の味となったようです。
そして一時期はGⅠ戦だったこともあるカリフォルニアン・ステークス Californian S (GⅡ、3歳上、9ハロン)。fast の馬場に1頭が取り消して8頭立て。前走チャールズ・タウン・クラシック(GⅡ)でサプライズ優勝を遂げた実力馬モレノ Moreno が6対5の1番人気。
5番人気(10対1)ビッグ・カザノヴァ Big Cazanova の逃げを2番手でマークしたモレノ、第4コーナー手前でスパートして先頭に立ちましたが、このタイミングを計っていたように3番手を追走していた2番人気(2対1)のキャッチ・ア・フライト Catch a Flight 、直ぐに本命馬の外に並び掛けると、直線の叩き合いを終始有利に進め、モレノに半馬身差を付けたまま優勝。3馬身半差の3着には5番手を進んでいた4番人気(9対1)のハード・エーシズ Hard Aces が食い込みました。
リチャード・マンデラ厩舎、ゲーリー・スティーヴンス騎乗のキャッチ・ア・フライトは、5月2日のプレシジョニスト・ステークス(GⅢ)に続いてアメリカのG戦を2連勝したアルゼンチン産馬。そのプロフィールは前走で紹介しておきました。6月27日のジョッキー・クラブ・ゴールド・カップでGⅠを目指すことになりそうです。
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