クラシック前哨戦(5)カリフォルニア編

4月4日のトライアル・シリーズ、3場目はカリフォルニアのサンタ・アニタ競馬場から。もちろんメインはサンタ・アニタのオークスとダービーです。
先ずはサンタ・アニタ・オークス Santa Anita Oaks (GⅠ、3歳牝、8.5ハロン)、もちろんオークスへの100ポイント・レースで、fast の馬場に1頭が取り消して7頭立て。前走ステークス・デビューでサンタ・イザベル・ステークス(GⅡ)を制したステラー・ウインド Stellar Wind が6対5の1番人気。
ブービー人気(12対1)のグローリー Glory が逃げ、これを2番人気(3対1)のリュミナンス Luminance が競り掛けるように追走し、人気のステラー・ウインドは最後方からの競馬。向正面で徐々に順位を上げ、2番手で直線に入ったステラー・ウインド、後は後続を寄せ付けず、先頭で直線に入ったリュミナンスを5馬身4分の1突き放す圧勝でした。更に3馬身差で3番人気(6対1)のワイルド・アット・ハート Wild At Heart が3着。
ジョン・サドラー厩舎、ヴィクター・エスピノザ騎乗のステラー・ウインドは、ローレルのデビュー戦こそ3着でしたが、2戦目で未勝利を脱出。今期初戦のサンタ・イザベルに続きサンタ・オークスを連勝し、来月第1週のケンタッキー・オークスに臨みます。

そして注目のサンタ・アニタ・ダービー Santa Anita Derby (GⅠ、3歳、9ハロン)、西海岸からダービーを目指す筆頭候補決定戦となります。6頭が出走し、ここまで無敗のドルトムント Dortmund が3対5の圧倒的1番人気。
ややスタートが遅れたドルトムントでしたが、初体験の1番枠スタートから直ぐに先頭に立つと、そのまま圧巻の逃げ切り勝ち。2番手を追走した4番人気(8対1)ワン・ラッキー・デイン One Lucky Dane に4馬身4分の1差を付けていました。これまでのG戦4勝の中では最も大きい着差での勝利で、西海岸最強3歳の地位を確実なものにしています。更に2馬身4分の1差で3番人気(9対2)のボロ Bolo が3着に追い込み、2番人気(3対1)のプロスペクト・パーク Prospect Park が4着。
ボブ・バファート厩舎、サンタ・アニタ・ダービーは初制覇となるマーチン・ガルシア騎乗のドルトムントは、ロス・アラミトス・フューチュリティー(GⅠ)、ロバート・W・ルイス・ステークス(GⅢ)、サン・フェリペ・ステークス(GⅡ)を含めG戦4勝目で6戦無敗。ポイントも2位に上がってダービー最有力候補の1頭です。バファート師は、レース前に同馬が右前を落鉄したことを明らかにしましたが、スタート・ダッシュが遅れたのはその所為かも知れません。本番ではその先行力が強力な武器になるでしょう。もし無敗のままダービーを制することになれば、父ビッグ・ブラウン Big Brown に続く快挙となります。

この日のサンタ・アニタはもう一鞍、同じ3歳戦でも芝コースのプロヴィデンシア・ステークス Providencis S (芝GⅢ、3歳牝、9ハロン)も行われました。前日に雨でキャンセルされたトランシルヴァニア・ステークスの牝馬版い当たります。firm の馬場に1頭が除外となり12頭立て。2戦1勝とキャリアが浅いアントレーシャ Entrechat が8対5の1番人気。
スタート・ダッシュを決めた8番人気(16対1)のスピリット・オブ・ジアン Spirit of Xian が直線でも良く粘り、4番手から追い込む3番人気(7対1)のスパニッシュ・クィーン Spanish Queen をギリギリ首差抑えての逃げ切り勝ち。5番手を追走したアントレーシャも最後で一気に差を詰めましたが、半馬身差届かず3着惜敗に終わりました。
リチャード・マンデラ厩舎、ジョセフ・タラモ騎乗のスピリット・オブ・ジアンは、2歳時はヨーロッパで8戦した馬で、オーナーは香港をベースにする方。4月早々ニューマーケットの5ハロン、8月にはチェスターの6ハロンに勝っており、アメリカ転厩初戦でサンタ・アニタの一般ステークス(スイート・ライフ・ステークス、6.5ハロン)でも3着しており、短距離のスピード馬ながら9ハロンの芝戦も勝ってG戦初勝利と、脚質に幅のあるタイプと言えそうです。

最後に、この日もう一鞍、オークローン・パーク競馬場で行われたファンタジー・ステークス Fantasy S (GⅢ、3歳牝、8.5ハロン)を紹介しておきましょう。これもケンタッキー・オークスへの100ポイント対象レースで、fast の馬場に11頭立て。BCジュヴェナイル・フィリーズで4着しているフェザード Feathered が2対1の1番人気に支持されていました。
フェザードはスタートこそ先手を取ったものの、7番人気(13対1)のスーパー・サックス Super Sax にハナを奪われてからは後退して最後は7着と敗退。優勝は前半最後方に待機した8番人気(18対1)の伏兵インクルード・ベッティー Include Betty で、最後の叩き合いで2番人気(7対2)のオーシャンウェーヴ Oceanwave に首差競り勝っての優勝。同じく首差で6番人気(11対1)のアチーヴァーズ・レガシー Achiever’s Legacy が入りましたが、2着馬のラモン・ヴァスケス騎手から勝馬に対し異議申し立てがあり、最終的には裁決が却下して入線通りで確定しています。
トーマス・プロクター厩舎、ローズマリー・ホーマイスター・ジュニアが騎乗したインクルード・ベッティーは、2歳時は3戦して未勝利。今年デビュー戦でタンパ・ベイの未勝利戦で初勝利を挙げ、1月31日には同じタンパ・ベイで一般ステークス(サンコート・ステークス)に勝って連勝。前走やはりタンパ・ベイのフロリダ・オークス(GⅢ)5着を経て、ここで3勝目を挙げると同時にオークスへの出走権を獲得しました。

 

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