小さな名馬

今朝出掛けにニュースを見ていたら、ディープインパクト公開会の様子をやっていました。ディープインパクトって馬の名前です。誰でも知っているでしょうが・・・。

何でも事前に募集があって、当選した1200人が24台のバスを連ねて北海道の何処やらに集ったのだそうです。
そのファンの話として、“思ったより小さい馬で”というのがありました。それで思い出したこと。

古来、名馬には小さい馬が多いですね。直ぐに思いつくのは、かのハイペリオン Hyperion 。1930年代のダービー馬ですが、これは小さい馬としても有名でした。
イタリアの生んだ名血・リボー Ribot 。これも小さかったそうで、あだ名はイル・ピッコロ il piccolo 、小さいという意味ですねぇ。

私も1975年にイギリスのニューマーケットにあるナショナル・スタッドを見学したことがあります。そこで名馬・ミルリーフ Mill Reef に会ったのですが、これもいかにも小さい馬でしたね。

馬の大きさは何で測るのでしょうか。
日本の場合、競馬では馬体重というものが発表されます。その体重が馬券の検討対象になったりします。確かディープインパクトは普通に比べると随分軽い馬だったそうです。

イギリスを始め、ヨーロッパでは馬体重というのは一切発表されません。体重を量るという習慣がないんですね。
海外で馬券を買おうとした友人が馬体重主義者で、関係者に体重を聞いたのですよ。そうしたら、馬の体重なんて肉屋で聞け、と一蹴されたそうです。

じゃあ、イギリスでは馬の大きさを何で測るか。これは体高ですね。ワープロで「たいこう」と打ってもこの漢字は出てきません。日本では使わないのでしょう。
正確な資料が手元にないので記憶ですが、馬の肩の一番高い所、即ち前脚の真っ直ぐ上のあたりと地面との距離だったと思います。今度ちゃんと調べておきましょう。

その高さをハンドという単位で表します。Hand 、文字通り「手」なんですが、これも不確かですが人の手のひらの幅だと思います。
この馬の体高は15.5ハンズ、などと表現しますね。ハンズというのは文房具を売っている所ではなくて、ハンドの複数形。

英国競馬というのは不思議な世界で、競売での通貨は未だにギニーだし、距離はマイル。1マイルは8ハロンに相当します。
ハロンというのは furlong と綴って、メートルに換算するとほぼ200メートル。それより僅かに長い。この単位は農耕から来ていて、農耕馬が一息で耕せる距離に相当するのですよ。これが八つで1マイル。競馬の基本距離はこうして決まったんですね。

今でもそうだと思うけれど、日本では「上がり3ハロン」などと言います。略して「3ハ」。何のことだと思って競馬の先輩に聞いたけれど教えてくれませんでしたね。
例によってイギリスの競馬本を読みまくって見つけたのが今の話。

話は飛びましたが、優れた競走馬には小さい馬が多いですね。人間も同じだ、というと彼方此方からクレームが舞い込みそうだけれど。

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