来期フランスの期待
文字通り、今年最後の競馬ネタかも知れません。昨日のサン=クルー競馬場で、クリテリウム・インターナショナルが行われました。2歳馬による1600メートルのGⅠ戦。かつてクリテリウム・ド・サン=クルーとして知られていたレースで、昔は2000メートルでした。
フランスは、イギリスと違って2歳馬の長距離レースが結構あります。長距離といっても2000メートルまでですが。
昔のイギリスでは7ハロン(ほぼ1400メートル)が長いほうの代表(デューハ-スト・ステークス)で、1マイルの大きいレースがありませんでした。
一時期、英国の競馬がフランス馬に席巻された時代がありまして、その原因として2歳馬の長距離レースがないことが指摘されていたものです。
1マイルの重賞・オブザーバー・ゴールド・カップ(現在のレーシングポスト・トロフィー)が創設されたのも、それが切っ掛けでしたね。
ところが世界的に長距離レースが忌避される傾向が強まり、フランスは長距離レースを廃止したり、距離を短縮することに熱心になってしまいました。
フランス・ダービーですら、ダービー距離の2400メートルを止め、2100メートルに短縮してしまったのですから。
皮肉なことに、最近のフランス馬は国際レースでも成績が思わしくないですね。
クリテリウム・インターナショナルの距離短縮は、将来にどう影響するのでしょうか。
さて今年の覇者、ザウェイユーアー Thewayyouare は中々期待の持てそうな勝ち方でした。出走頭数は6頭と寂しかったのですが、馬群の中に入れて後方を進み、勝負所で僅かな間隙を縫って伸びてくる脚は、一流馬のそれでした。
一旦は2着に入ったへロー・モーニングの方が脚色良く見えたのですが、手前を変えながらも差し返したあたり、大物感があります。
血統が凄いですね。今年の3歳牝馬チャンピオン、ピーピング・フォウンの弟です。ピーピングはデ-ンヒル産駒ですが、ザウェイユーアーはキングマンボの仔。半弟にあたります。
調教師はアンドレ・ファーブルさん。彼は何度か挑戦していますが、まだイギリスのダービーに勝っていません。来年はこの馬で勝負できそうな感じがします。実際、16対1というオッズが出たようです。
ヨーロッパ競馬の主な関心は、既に障害レースに移っています。長い冬をやり過ごし、平場競走に活気が戻ってくるのは来年の復活祭から。
冬場は、今年の競馬を振り返り、来年の期待馬を探す季節なのです。
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