2016ドーヴィル夏開催が開幕
ロンシャン競馬場が改築中のフランス競馬、今年はその代替として本来なら夏競馬の舞台であるドーヴィル競馬場も春からフル稼働してきましたが、昨日の土曜日から恒例の夏開催がスタートしました。
競馬にカジノに海水浴、このリゾート地は映画の舞台にもしばしば使われてきたことはご存知の通り。
そのドーヴィル競馬場、最初のG戦はプシケ賞 Prix de Psyche (GⅢ、3歳牝、2000メートル)。秋のヴェルメイユ賞に向けての第一歩といった一戦です。good の馬場に7頭立て。クラシック馬こそ参戦してきませんが、1勝馬ながら仏オークスで2着したレフト・ハンド Left Hand がイーヴンの1番人気。前走がフロックでは無かったことを証明する絶好の機会でもありましょう。
レフト・ハンド陣営はペースメーカーのレッドコールド Redcold (24対1、6番人気)を用意してきましたが、ペースを作ったのは5番人気(10対1)のアップル・ベッティー Apple Betty 。レッドコールドは2番手に付け、レフト・ハンドは3番手に控えます。残り300メートル、予定通りレフト・ハンドが抜け出して2馬身程リードを広げましたが、前半6番手で待機していた2番人気(4対1)のラカラス Lakalas が猛追を開始。一気に差を詰めてあわや逆転というシーンもありましたが、最後はレフト・ハンドが首差凌いでの優勝。2馬身差でアップル・ベッティーが3着に粘っていました。
首差とは言え仏オークス2着馬が勝利したことで、クラシックのステイタスが証明できたと言えるでしょう。僅差2着のラカラスも中央場所は初めてですが、トゥールーズとリヨンで4戦3勝(1回は3着)してきた上がり馬。上位2頭は将来性も充分と言えそうです。
勝ったレフト・ハンドはクリストフ・ラッフォン=パリアス厩舎で、マクシム・グィヨン騎乗。2歳時ロンシャンでデビュー勝ちし、続けてマルセル・ブーサック賞(GⅠ)に挑戦して4着でシーズンを終了。今期はメゾン=ラフィットの条件戦6着から始動し、サン=タラリ賞4着を経て仏オークス2着。もちろんG戦は初勝利ですが、それまでに参戦したパターン・レースは全てGⅠ戦という能力を秘めた1頭でもあります。
父はミスター・プロスペクター Mr. prospector 系のデュバウィ Dubawi (愛2000ギニー、マロワ賞、ダービー3着)ですが、母バラドゥーズ Balladeuse は2500メートルのロワイアリュー賞(GⅡ)に勝ったステイヤー。ヴェルメイユ賞から凱旋門賞へと進んでも不思議ではない血統の持ち主と言えるでしょう。
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