6月27日のアメリカ競馬(1) チャーチル・ダウンズ閉幕と今期最初の2歳戦

昨日のアメリカ競馬も一気に、と行きたいところですが、何しろ5つの競馬場で合計11鞍のG戦。ナイト開催の競馬場もあって結果入電も遅くなることでもあり、いくつかに分割してレポートして行きます。
その方が読まれる方も楽ですし、後に結果を検索する際にも都合が良いでしょう。

ということで第一報は東海岸から。ベルモント・パーク競馬場はG戦一鞍ですが、GⅠのマザー・グース・ステークス Mother Goose S (GⅠ、3歳牝、8.5ハロン)。10頭が出走し、7対2で3頭が並ぶ混戦。僅かの差で1番人気に支持されたのは、エイコーン・ステークス(GⅠ)で3着、去年のBCジュヴェナイル・フィリーズでも3着だったワンダー・ギャル Wonder Gal 。
レースは最低人気(57対1)のホット・シティー・ガール Hot City Girl が逃げ、ワンダー・ギャルは5番手から。直線大きく横一杯に広がる混戦の中から抜け出したのは、前半最後方で待機していた4番人気(5対1)のインクルード・ベッティー Include Betty 。馬5頭分の大外を一気に捲るように追い込み、内で競り合う3頭の2着争いに3馬身4分の1差を付ける完勝です。写真判定の2着はハナ差で人気のワンダー・ギャルが制し、後方3番手から追い込んだ6番人気(10対1)のチャイド Chide が3着。
トーマス・プロクター厩舎、ドライデン・ヴァン・ダイク騎乗のインクルード・ベッティーは、今更ながら出走馬中唯一のG戦勝馬。4月にオークローン・パークのファンタジー・ステークス(GⅢ)に勝っており、前走ピムリコのブラック=アイド・スーザン・ステークス(GⅡ)は2着でした。

続いてはモンマス・パーク競馬場のイートンタウン・ステークス Eatontown S (芝GⅢ、3歳上牝、8.5ハロン)。去年は1週前に行われていましたが、今年は6月最終週に繰り下げての施行です。メイン・コースのみの登録2頭と、他にも3頭が取り消して9頭立て。フランスのG戦で複数回入着しているケンザダルジャン Kenzadargent が8対5の1番人気。
ここは伏兵(27対1)のスピード・シーカー Speed Seeker が逃げてペースを作りましたが、前半4~5番手を追走した3番人気(7対1)のアイム・オールレディー・セクシー I’m Already Sexy が第4コーナーを2番手で回ると、内から伸びる本命ケンザダルジャンに半馬身、外から追い込む2番人気(9対2)でこれも元フランス馬ステラー・パス Stellar Path に1馬身4分の1差を付けて快勝しました。
ウェイン・カタラーノ厩舎、パコ・ロペス騎乗のアイム・オールレディー・セクシーは、去年7月アーリントン競馬場のモデスティー・ハンデ(芝GⅢ)以来ほぼ1年振りのG戦勝利。前走チャーチル・ダウンズのミント・ジュレップ・ハンデ(芝GⅢ)は2着でした。

次にこの日で38日間の春開催がフィナーレを迎えたチャーチル・ダウンズ競馬場に行きましょう。先ず今シーズン最初の2歳G戦となるバシュフォード・マナー・ステークス Bashford Manor S (GⅢ、2歳、6ハロン)。1頭が取り消して7頭が出走し、4戦目ながら前走5ハロンの未勝利戦を快勝したヒーズ・カミン・イン・ホット He’s Comin in Hot が4対5の断然1番人気。
スタート・ダッシュは5番人気(16対1)のサファイア・ストーム Sapphire Storm が一番でしたが、直ぐに1番枠スタートの本命馬が交わして先頭に立つと、そのままスピードに任せて3番手から伸びた2番人気(5対2)のショー・バウンド Show Bound に3馬身4分の3差を付けての逃げ切り勝ち。後方から追い込んだ4番人気(12対1)のパトリック・ロックス Patrick Rocks が同じく3馬身4分の3差で3着でした。典型的なシーズン初期の2歳戦。
ブレット・カルホウン厩舎、ジェイミー・セリオット騎乗のヒーズ・カミン・イン・ホットは、これで4戦2勝と2連勝となるせん馬。父はサン・ヴィセンテ・ステークス(GⅡ)に勝ったスプリンターのアーリー・フライアー Early Flyer で、ソード・ダンサー Sword Dancer から伸びる今や希少となったアジャックス Ajax 系の父系です。

夕暮れ開催のチャーチル・ダウンズ、春開催のフィナーレは照明の元で行われたファイアークラッカー・ステークス Firecracker S (芝GⅡ、3歳上、8ハロン)。1頭が取り消して8頭立て。去年のトロピカル・パーク・ダービーの勝馬で、1月にタンパ・ベイ・ステークス(芝GⅢ)3着して以来となるスカイ・フライト Sky Flight が8対5の1番人気。
2番人気(5対2)のフラック・ダディー Frac Daddy が逃げ、スカイ・フライトはこれを2番手で追走。しかし直線、やや離れて4番手を進んでいた3番人気(4対1)のデパーティング Departing が直線では思い切り内ラチ沿い一杯を衝き・巧みに先頭に躍り出ると、5番手から馬場中央を通って追い込む5番人気(11対1)のナイツ・ネーション Knights Nation に半馬身差を付けて優勝。スカイ・フライトは更に4分の3馬身及ばず3着でした。
アルバート・ストール厩舎、ミグェル・メナ騎乗のデパーティングは、一昨年のイリノイ・ダービー(GⅢ)勝馬。去年はチャーチル秋開催のメインでもあるクラーク・ハンデ(GⅠ)で7着に終わりましたが、前走はそれ以来となる芝コース初挑戦の一般ステークス(オープニング・ヴァーズ・ステークス)で3着。その時2着だったフラック・ダディーとは再戦でもありました。

 

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