メナ指揮、ブルックナーの宗教作品
今年のプロムスも7月を聴き終え、今日から8月に入ります。つまり4分の1を経過したということになりますね。8月最初のプロムは、ファンホ・メナが振る宗教作品がメインでした。
8月1日 ≪Prom 20≫
シューベルト/交響曲第4番
ルーク・ベッドフォード Luke Bedford/インスタビリティー Instability (BBC委嘱、世界初演)
~休憩~
ブルックナー/ミサ曲第3番
BBCフィルハーモニック
指揮/ファンホ・メナ Juanjo Mena
ソプラノ/リューバ・オルゴナソーヴァ Luba Orgonasova
メゾ・ソプラノ/ジェニファー・ジョンストン Jennifer Johnston
テノール/ロバート・ディーン・スミス Robert Dean Smith
バス・バリトン/デレク・ウェルトン Derek Welton
合唱/オフェオン・パンプロネス Orfeon Pamplones
最初はウィーン生まれの作曲家シューベルトの交響曲ということですが、指揮者が登場し、さあ始まるという時に何故か客席から笑いが起きます。
コメンテイターの解説では、指揮台に置かれた譜面が間違っていたそうでメナがシューベルトのスコアを取りに戻ったのだとか。先ず日本では有り得ないミスですが、プロムスは大らかなものです。メナもこれを逆手に利用していたようで、どの曲でも演奏直前に笑い声が聞かれたのは、恐らくスコア確認のジェスチャーで客席を沸かせたのでしょう。
ということで比較的真剣な作品が並びましたが、演奏会は和気藹々。最初を聴き逃すと何故笑い声があるのか不思議に思われるでしょう。でもシューベルトの演奏は真面目そのものでした。
続いては1978年生まれの英国の作曲家ルーク・ベッドフォードのプロムス委嘱作の世界初演。作品のタイトルは「不安定な事」という意味でしょうから、楽想の突然の変化などを盛り込んだ20数分の作品です。
ロイヤル・アルバート・ホールのオルガン(演奏はジョナサン・スコット)を使用しており、その超低音が響きます。また大太鼓も頻りに活躍。作品は既にユニヴァーサル社から出版されており、作曲家自身による短いプロフィールと共にスコアも閲覧することも可能。大編成作品ですからパソコン画面を見ながらというのは厳しい状況ですが、後でゆっくり画面を拡大して細部をチェックすればよろしい。
何でもクリケットのバットを楽器として使う最初の曲と書かれています。
最後はブルックナーの最も良く取り上げられる宗教作品。使用楽譜に付いてのアナウンスはありませんが、手元にあるノヴァーク版による演奏で間違いないと思います。
第2曲グローリアの第169小節から178小節までの「vi-de」というカット指定は、ノヴァークが校訂報告に記しているようにブルックナー自身の指示であるため、メナもカットして演奏していました。
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