作曲から70年の名曲たち

今日はボーンマス響が登場したプロムスです。ブリテン、コルンゴルト、プロコフィエフと3人に特別な共通点は思い当りませんでしたが、実はこの3曲は全て1945年の作品という大カッコで括られるのですね。
言うまでもなく今年は終戦70年。去年のプロムスは第一次世界大戦勃発から100年という柱がありましたが、今年は第二次世界大戦終結70年でもあります。

8月10日 ≪Prom 34≫
ブリテン/歌劇「ピーター・グライムズ」4つの海の間奏曲
コルンゴルト/ヴァイオリン協奏曲
     ~休憩~
プロコフィエフ/交響曲第5番
 ボーンマス交響楽団
 指揮/キリル・カラビッツ Kirill Karabits
 ヴァイオリン/ニコラ・ベネデッティ Nicola Benedetti

カラビッツは2009年からボーンマス響の首席指揮者を務めているロシアの指揮者で、確か東京交響楽団に客演した筈ですから、直に聴かれた方も多いでしょう。
父親は作曲家で、奇しくも父は1945年生まれ(イヴァン・カラビッツ、2002年に没)ですから、この日の3作品と同じ年月を生きてきたことになります。色々な意味でカラビッツにとっては因縁あるプログラムと言えそう。

前半の協奏曲は、私も日フィル定期でモーツァルトを聴いたことのある美女ベネデッティのソロ。ロンドンでも大人気と見え、プロムスにも度々招かれています。今年はチェンバー・プロムスにも登場する予定。
近現代のヴァイオリン協奏曲としてすっかり定着したコルンゴルト、私もナマで何度か聴きましたが、未だ新鮮さは失われていません。ベネデッティもコルンゴルトを得意にしていて、アンコールもコルンゴルトでした。

弾かれたのは歌劇「死の都」からマリエッタの歌。もちろんソプラノのパートをヴァイオリンに置き換えたもので、オーケストラ伴奏付きでの演奏。幸いなことに楽譜はIMDLPで見ることもダウンロードすることも可能で、全曲のフル・スコアも無料で閲覧出来ますが、アリアだけのピアノ譜が便利。私もこのアンコールだけ取り出して3回も譜面を見ながらウットリと聴いてしまいましたワ。↓

http://conquest.imslp.info/files/imglnks/usimg/a/a9/IMSLP33990-Mariettas_Lied.pdf

後半はプロコフィエフ畢生の大作。カラビッツとボーンマス響はオニックス Onyx というレーベルにプロコフィエフ交響曲全集を録音中(完成したのかな?)で、これまたナクソスのNMLで試聴可能。この際だからこれまでの録音は全部聴いちゃいましょう。
序と言っては失礼だけど、親父さんの作品も息子の指揮で、ネ。

 

Pocket
LINEで送る

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください