ファーブル師、5度目のジャン・プラ賞
7月12日の日曜日、フランスのシャンティー競馬場でジャン・プラ賞 Prix Jean Prat (GⅠ、3歳上牡牝、1600メートル)が行われました。good の馬場に8頭が揃いましたが、牝馬の参戦は無く、全て精鋭の牡馬ばかり。
今年のマイル部門はグレンイーグルス Gleneagles が1頭抜けた形で、既に2000ギニー、愛2000ギニー、セント・ジェームス・パレス・ステークスとGⅠに3勝、後は古馬との対決を待つばかりとなっています。
昨日のジャン・プラは、チャンピオンに続く馬、再挑戦する馬の選抜戦の様な形で、ニューマーケットの2000ギニーでグレンイーグルスに2馬身4分の1差2着だったテリトリーズ Territories が13対10の1番人気。これに英国から3頭の有力馬たちが挑む構図でした。
レースは2番人気(14対5)で2歳時にジャン=リュック・ラガルデール賞でグレンイーグルスを破った(と言っても勝馬が降着で拾った勝利で、テリトリーズは繰上りの2着)フル・マスト Full Mast がハナを主張してスタートから飛ばしましたが、直ぐに英国馬で最低人気のアクタバンタイ Aktabantay が譲らず先頭を奪い、強いペースでの逃げ。テリトリーズは大胆にも最後方に控えます。
直線、逃げ馬も2番手に控えたフル・マストも白旗を揚げると、先行していた5番人気(124対10)の英国馬で2000ギニーでは7着だった(前走ロイヤル・アスコットでジャージー・ステークス快勝)ダッチ・コネクション Dutch Connection が残り1ハロンで抜け出し、後続に2馬身ほどのリード。しかし最後方のまま直線に入ったテリトリーズが鞍上のゴーサインを受けると、外から一気に加速、ダッチ・コネクションを半馬身差捉えて堂々人気に応えました。
6馬身の大差が付いて、3着は中団に付けていたブービー人気(33対1)のサー・アンドリュー Sir Andrew (仏2000ギニー5着馬)。以下英国馬で去年のデューハースト2着馬コーディ・ベア Kodi Bear (93対10、4番人気)が4着、ローカルで連勝してきたイル・セグレート Il Segreto (26対1、6番人気)が5着。フル・マストは7着に沈み、3番人気(33対10)で仏2000ギニー3着のミスター・オーウェン Mr Owen も6着と奮いませんでした。逃げたアクタバンタイが最下位。
勝ったテリトリーズは、もちろんアンドレ・ファーブル厩舎、ミケール・バルザロナ騎乗でゴドルフィンの所有馬。ファーブル師は1989年のローカル・タレント Local Talent 、1992年キットウッド Kitwood 、2011年のミューチュアル・トラスト Mutual Trust 、2012年のイソップス・ファーブル Aesop’s Fables に続きジャン・プラ賞5勝目。最多勝利数でフランソワ・ブータン、フランソワ・マテの2巨匠と並びました。またバルザロナ騎手は2013年、リチャード・ハノン厩舎のハヴァナ・ゴールド Havana Gold に続く2勝目となります。
この結果、やはりグレンイーグルスの断然優位が強調され、今年の2000ギニーが如何に高レヴェルだったかも証明されたと言えるでしょう。テリトリーズは2000ギニーのあと座石で調教を休み、セント・ジェームス・パレスでのグレンイーグルスとの再戦は叶いませんでしたが、GⅠ馬のタイトルを背にドーヴィルのジャック・ル・マロワ賞に向かうことになります。果たして秋に2頭の再戦が見られるか、両馬の動向から目が離せません。
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