凱旋門賞3連覇へ、また前進

昨日の日曜日はフランス、サン=クルー競馬場でもG戦が2鞍組まれていました。馬場はこちらも good 、凱旋門賞を目指す馬たちには若干固過ぎる状態ではありましたが・・・。

先ずは3歳牝馬の長距離戦、マユレ賞 Prix de Malleret (GⅡ、3歳牝、2400メートル)。8頭が出走し、前哨戦となるロヨーモン賞(GⅢ)で活躍した馬が中心になる一戦でしょう。当然ながら勝って参戦のカタニーヤ Kataniya が3対10の圧倒的1番人気。
アガ・カーンの本命馬は必ずペースメーカーを出走させるのが戦術で、今回は最低人気(32対1)のミンヤ Minya がその役割。ロヨーモン賞は逃げ切ったカタニーヤは、今回は中団を進み、残り2ハロンで先頭。しかし後方に待機していた2番人気(4対1)のシー・カリージ Sea Calisi 、ロヨーモンでは首差届かなかった末脚も今回は手応え充分、残り1ハロンで本命を捉え、1馬身半差を付ける逆転優勝です。短首差3着には、最後方から5番人気(127対10)のヤージー Yaazy が追い込みました。

フランソワ・ドゥーメン厩舎、ミケール・バルザロナ騎乗のシー・カリージは、リヨンで3歳デビューのローカル出身で、2戦目で未勝利を脱し、前走ロヨーモン賞で一気に注目された新星。秋のヴェルメイユ賞で怖い1頭になりそうな存在です。

そして世界が注目のサン=クルー大賞典 Grand Prix de Saint-Cloud (GⅠ、4歳上、2400メートル)。史上初の凱旋門賞3連覇を目指すトレーヴ Treve がステップとして使うことを宣言してきたGⅠですね。9頭が出走してきましたが、もちろんトレーヴが3対5の断然1番人気。シーマ・クラシック馬で前走コロネーション・カップ2着のドルニーヤ Dolniya が41対10の2番人気で続き、コロネーション3着のフリントシャー Flintshire は57対10の3番人気。

ペースメーカーとしてアルタイラ Altaira (44対1、7番人気)を出走させて万全のトレーヴ陣営。そのペースメーカーが強い流れを作り直線では大きく外に振って(サン=クルーは左回り)本命馬に道を空けます。しかし先ずここを衝いたのは2番手を追走していたフリントシャーで、残り2ハロンで先頭。例によって中団で待機していたトレーヴは、鞍上の指示にやや反応が鈍かったようにも見えましたが、最後の150ヤードでフリントシャーを捉えると、そのまま1馬身4分の1差を付けて貫録を見せ付けました。同じく中団に付けていたドルニーヤも良く伸びましたが、最後の1ハロンで前の2頭には付いて行けず、2馬身半差の3着。
以下、4番人気(76対10)のマナテー Manatee 4着、5番人気(198対10)のメレアグロス Meleagros 5着と全く順当。

この内容にクリティック・ヘッド=マーレク調教師、ティエリー・ジャルネ騎手も大満足。ブックメーカーも揃って称賛し、数字には若干違いはあれど、凱旋門賞のオッズはレース前の3対1程度から5対2程度へと更に上昇しました。
3連覇にまた一歩前進、このあと夏場は休養し、ヴェルメイユ賞から凱旋門賞で有終の美、というのがトレーヴの描く青写真です。

 

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