プロムスのボストン響(2)

前日に続いてボストン交響楽団の2回目です。引き続き新音楽監督ネルソンスの指揮。

8月23日 ≪Prom 51≫
ハイドン/交響曲第90番
バーバー/エッセイ第2番
     ~休憩~
ショスタコーヴィチ/交響曲第10番
 ボストン交響楽団
 指揮/アンドリス・ネルソンス

私にとってボストン交響楽団と言えば、クラシック音楽の世界に入る切っ掛けを創ってくれたオーケストラ。その初来日公演をテレビで見たのが病み付きで、以後ほとんど毎日の様にクラシカル・ミュージックを聴き続けてきました。
そのハイドンと言えば、同じ初来日公演でミュンシュと共に公演を指揮した作曲家のアーロン・コープランドが95番の交響曲を振ったのを良く覚えています。学校の教室を離れて、私が最初に接したハイドンだったと思いますネ。

ネルソンスが取り上げた90番は比較的珍しいレパートリーと思いますが、最もハイドンらしい茶目っ気タップリのシンフォニー。これを取り上げたことで、ネルソンスに対する親しみが一気に沸きました。
この若手はハイドンを心から愛しているようで、ただ譜面通りに演奏するのでなく、木管楽器など随所に装飾音を加える楽しさ。秀逸は第2楽章で、スコアには書かれていないものの、第99小節から第117小節までは完全な弦楽五重奏として演奏してました。これ、ブラヴォ~でしょ。
ユーモア満点のフィナーレ、流石のプロムスの聴衆もハイドンのトリックに見事引っ掛かってました。ネルソンスもこれを誘い出すような振り方。私はハイドンを見事に演奏する演奏家は全て大好きで、逆にハイドンを理解しない人、演奏しない人は信用しません。

続くバーバーはブルーノ・ワルターが初演したミニ交響曲。以前そのスコアはいつでも楽譜屋さんの店頭に並んでいて、いずれ買おうと思っている内に廃刊になってしまいました。悔しい思いをしていましたが、幸いなことに Music Sales Classical のホームページにある Scores On Demand で見ることが出来ます。↓
(エッセイ2番はニューヨーク・フィルのアーカイヴでも閲覧可能で、これはバーンスタインの書き込み付き)

http://www.musicsalesclassical.com/ondemand

後半のショスタコーヴィチは、素直にボストン響のサウンドを楽しみましょう。ミュンシュ時代とは随分変わりましたが・・・。
アンコールもショスタコーヴィチで、ネルソンスは“ギャロップ”とだけ曲名を告げました。これはオペレッタ「モスクワのチェリョムーシカ」に含まれる小品で、ブラスバンドの定番ですから実際に演奏した方も多いでしょう。

 

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