シンガポール響のプロムス・デビュー

今年のプロムスのテーマ、世界のオーケストラも残り6団体となってきましたが、2日のプロムスはアジアからシンガポール交響楽団がプロムス・デビューを果たしました。
このオーケストラはBISレーベルへの録音が多く、初めてという感じはしません。技術的にも立派にワールド・クラスですし、音楽監督のラン・シュイも広範なレパートリーで知られています。

シュイは以前に日本フィル定期でドイツ音楽プログラムを聴きましたし、懐かしい指揮者。英都でもガンバっとるなぁ~という印象。東京ではブラームスの2番を暗譜で振りましたが、ロンドンではラフマニノフの2番を暗譜で指揮したんだそうです。

9月2日 ≪Prom 61≫
グリンカ/歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲
ズー・ロン Zhou Long 周龍/Postures(ヨーロッパ初演)
     ~休憩~
ラフマニノフ/交響曲第2番
 シンガポール交響楽団 Singapore Symphony Orchestra
 指揮/ラン・シュイ Lan Shui
 ピアノ/アンドレアス・へフリガー Andreas Haefliger

ロシア音楽に付いては解説の必要は無いでしょう。で、真ん中のズー・ロンという人。
北京生まれの中国人作曲家で、歌劇「白蛇夫人」でビューリッツァ賞を受賞したことで知っている程度。詳しくはオックスフォード大学出版のホームページから。

http://ukcatalogue.oup.com/category/music/composers/zhoulong.do

今回ヨーロッパ初演された作品はピアノ協奏曲で、伝統的な3楽章形式。夫々10・11・5分と全体では26分掛かりました。世界初演はシンガポールで、中国人しか書かない音楽でしょう。
スコアはこちらで入手可能です。

http://ukcatalogue.oup.com/product/music/keyboard/piano/9780193404229.do?sortby=bookTitleAscend&thumbby=10&thumbby_crawl=10&zoneCode=MUS025

ラフマニノフは今時のラフマニノフ。少し前まではカットが当たり前でしたが、第1楽章の繰り返しこそ省略したものの、完全演奏でした。
アンコールは珍品に属するでしょう。三省堂の音楽作品名辞典にも載っていないもの。NMLがあったお蔭で確認することが出来ました。今年のテーマ作曲家でもあるウォルトンから、行進曲「英語国民の歴史」。こんな曲があるんだ!!

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