SWR響のプロムス初登場

26日のプロムスはドイツからSWR響が客演、同オケは今回がプロムス初登場となります。

8月26日 ≪Prom 55≫
ブーレーズ/’…explosante-fixe…’
     ~休憩~
リゲティ/ロンターノ
バルトーク/管弦楽のための協奏曲
 バーデン-バーデン・フライブルクSWR交響楽団
 指揮/フランソワ・クサヴィエ・ロト
 フルート/ソフィー・シェリエ Sophie Cherrier
 SWRエクスペリメンタル・スタジオ

このオーケストラ、旧名というか創立時は南西ドイツ放送交響楽団と言い、ハンス・ロスバウトが初代指揮者でした。主に現代音楽がレパートリーの中核で、首席指揮者もブール、ギーレンなど現代音楽のチャンピオンたち。先代のカンブルランを経て、現在は今回の指揮者ロトがシェフです。カンブルランもロトも読響と縁があり、我々にも馴染み深い指揮者。
当然ながら初出演のプロムスも現代音楽がメイン。しかもロンターノはSWR響が初演した作品ですし、ブーレーズの管弦楽曲を初めて演奏したのもSWR響なのです。ロトは8月12日のBBC響に続いて今年2回目のプロムス、前回に続いて今年90歳のブーレーズ作品を冒頭に置いていました。

その「エクスプロザント=フィクス」は「固定された爆発」とでも訳すのでしょうか、ブーレーズ作品の多くは現在進行形というか、長年掛けて何度も改訂や追加を繰り返すのが特徴で、これもそうした曲の一つ。
そもそものオリジナルは独奏フルート、2本のホルンと弦楽六重奏のための「メモリアール Memoriale」という作品で、私が知っている限りでも少なくとも3回の改訂・追加を経て、1991年から1993年にかけて独奏フルート、室内オーケストラとライヴ・エレクトロニクスのための作品に纏めたもの。メモリアールは7分ほどの作品でしたが、最新稿は30分以上を要する大作で、如何に肥大化してきたかが判ります。更に、これが決定稿であるという保証は何処にもありません、よね。
そのためかどうかは知りませんが、ユニヴァーサル出版社のホームページを見ても、「エクスプロザント=フィクス」のスコアには買い物籠のマークが付いていません。貸譜のみのようです。また演奏したオーケストラのリストを見ても日本の団体名は無く、我が国では未だ演奏されていないのでしょう。いずれ契約を延長したカンブルランかロトが読響で取り上げるかも・・・。

http://www.universaledition.com/Pierre-Boulez/composers-and-works/composer/88

後半最初のリゲティは、既にカンブルランが読響で演奏しました。その感想は「演奏会」カテゴリーを検索すれば出てくるはず。
バルトークは現代の古典で、ロトも「ポピュラー作品」と表現していました。

アンコールは意外にもシューベルト「ロザムンデ」の音楽から間奏曲第2番。但し、最初のアンダンティーノだけだけでしたが、こういうものもチャンと弾けるぞ、というアピールでしょう。

 

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