ドーヴィル夏開催の閉幕

日曜日のヨーロッパ競馬、最後はフランスのドーヴィル競馬場から、最終日のG戦3鞍を順にレポートして行きましょう。馬場は雨が降って英愛よりも更に重く、 very soft 。
フランスはずっと重馬場が続いているので、苦手な馬は最初から登録せず、この日のG戦では取り消しは出ませんでした。

最初のモトリー賞 Prix de Meautry (GⅢ、3歳上、1200メートル)は8頭立て。前走ドーヴィルのリステッド戦は8着に敗退していたものの、その前に初挑戦のG戦で2着したスードア Suedois が14対5の1番人気。
5番人気(32対5)のムハラージ Muharaaj が逃げましたが、後方の内で待機した本命スードアが抜け、中団から伸びた3番人気(47対10)ザ・ライト・マン The Right Man との叩き合いを首差制して期待に応えました。4分の3馬身差で後方から追い込んだ4番人気(58対10)のクイーン・ビー Queen Bee が3着。

クリスチャン・バイエ厩舎、グレゴリー・ブノア騎乗のスードアは、去年秋から今年初めに掛けてドーヴィル(ポリトラック)、シャンティー、メゾン=ラフィット(リステッド戦)と3連勝した4歳馬。そのあとシャンティーのリステッド戦で3着し、G戦初挑戦となった前々走リゾランジス賞(GⅢ)が2着でした。

二つ目はドーヴィル大賞典 Grand Prix de Deauville (GⅡ、3歳上、2500メートル)。7頭が出走し、前走ルー賞(GⅢ)を制したアガ・カーンのロアショー Loresho が12対5の1番人気。
レースは2番人気(27対10)で去年の勝馬カクテル・クィーン Cocktail Queen が逃げ、ロアショーは後方待機。最後は差し比べの競馬になりましたが、最も末脚が切れたのは、本命馬と並んで後方から追い込んだ6番人気(149対10)の伏兵シルジャンズ・サガ Siljan’s Saga の方で、カクテル・クィーンを4分の3馬身捉えて優勝。ロアショーは2馬身届かず3着に終わりました。

勝ったシルジャンズ・サガは、ジャン=ピエール・ゴーヴァン厩舎、ピエール=シャルル・ブードー騎乗の5歳馬。勝たれて見れば去年の凱旋門賞(12着)、仏セントレジャー(5着)にも参戦していた実力馬で、今期はアレ・フランス賞(GⅢ、8着)、コリダ賞(GⅡ、5着)に走り、前走ヴィシーの一般ステークスに勝ってこれが4戦目。今年も凱旋門賞に向かうのでしょうか。

ドーヴィルを締め括るのは、カンセー賞 Prix Quincey (GⅢ、3歳上、1600メートル)。6頭が出走し、シャンティーのGⅢ戦を2連勝(ポール・ド・ムーサック、ダフニス)中のアルマナール Almanaar がイーヴンの1番人気、4連勝でG戦3連勝も目指します。
そのアルマナールがスタートから主導権を奪いましたが、歴戦の疲れか、唯1頭馬場の中央を通った最低人気(26対1)のスティルマン Stillman に交わされるとそのままズルズル後退、結局は最下位に惨敗してしまいました。替ってスティルマンを捉えたのは、最後方から追い込んだ3番人気(42対10)のジョニー・バーンズ Johnny Barnes で、スティルマンに3馬身差を付けていました。後方から4番人気(105対10)のスポイル・ザ・ラン Spoil the Run も追い上げ、2着は同着となっています。

3歳馬のジョニー・バーンズは、英国からジョン・ゴスデン厩舎、フランキー・デットーリ騎乗で遠征。前走グッドウッドのサラブレッド・ステークス(GⅢ)は適性の無い良馬場で8着に終わっていましたが、思い起こせば去年秋にサン=クルーの重馬場でクリテリウム・インターナショナル(GⅠ)で2着した実績の持ち主。徹底した重得意を活かし、次走は凱旋門賞ウィークのダニエル・ウイルデンシュタイン賞(GⅡ)になる見込みです。

 

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