指揮者ウンジャン

9月2回目のプロムスを聴きましょう。モーツァルトの後期ピアノ協奏曲シリーズの1曲を含んだプログラムです。

9月2日 ≪Prom 63≫
メシアン/讃歌
モーツァルト/ピアノ協奏曲第27番変ロ長調K575
     ~休憩~
ブルックナー/交響曲第7番
 ロイヤル・スコティッシュ管弦楽団
 指揮/ピーター・ウンジャン Peter Oundjian
 ピアノ/イゴール・レヴィット Igor Levit

ロイヤル・スコティッシュ管弦楽団、コメンテイターの紹介ではリーダーが岩淵麻弥さんだそうで、少し前までフィルハーモニア管のコンサートマスターだった日本のなでしこですね。
更に今回の指揮者はヴァイオリニストとしてのキャリアから転身したピーター・ウンジャン。東京クァルテット第3期のファースト・ヴァイオリンで、手の病気で指揮者に転向し、数年前にN響を指揮したこともある方と言えば、思い出すファンも多いでしょう。
ということで、我々にも親近感が大いに沸くコンサートでした。

最初のメシアンは、正式には「聖なる秘蹟の讃歌」といい、作曲者の若書き。そのスコアは戦争中に失われ、後に記憶から再構成されたそうです。今回がプロムス初演とのこと。
メシアンは、本格的に作曲家として認められるようになってからは管弦楽作品にティンパニは決して使用しませんでしたが、この讃歌には堂々と使われています。その意味でも貴重な機会と言えそう。

前半の2曲目は、冒頭に紹介したようにピアノ協奏曲名曲撰の1曲。ソロのレヴィットは浜松国際コンクールで1位になったロシアの若手で、お決まりの「天才ピアニスト」として評判の人。
私は初めて聴きましたが、弱音を大切にし、装飾音の多い演奏(第3楽章のカデンツァも含めて)。特に2・3楽章では気になる位に飾りを入れながら弾いて行きます。何でも歌にしてしまうロシアによくあるタイプのようで、正直な所私の好みじゃありません。尤もこの1曲だけで判断する積りはありませんが。

アンコールにショスタコーヴィチの「7つの人形の踊り」から第5曲ワルツ=スケルツォというほとんど単音で書かれたような小品を弾きましたが、これも印象は同じでした。なおこの曲集、ショスタコーヴィチが娘ガリーナのために作曲したもので、日本でも楽譜が出ています。

後半はブルックナー。今年のプロムスではメナがブルックナーのミサを取り上げましたが、交響曲はこれだけでしょうか?

 

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