新たなブルックナー指揮者、メナ

7月17日に続き、8月7日に再登場したファンホ・メナ指揮BBCフィルハーモニック管によるプロムス2回目のコンサートです。

≪Prom 33≫
ワーグナー/楽劇「トリスタンとイゾルデ」第1幕への前奏曲
ジェームス・マクミラン/クレド(BBC委嘱、世界初演)
     ~休憩~
ブルックナー/交響曲第6番
 管弦楽/BBCフィルハーモック管弦楽団
 指揮/ファンホ・メナ
 合唱/マンチェスター室内合唱団、ノーザン・シンフォニア・コーラス、ラシュレー・シンガース

冒頭のワーグナー、意外な驚きが待っていました。普通に演奏されるトリスタンの前奏曲とは趣が異なります。
即ち、スコアで言うと第93小節目からオリジナルを離れ、木管のトリルやハープ、チェロのソロなどのパッセージが加えられ、時に「愛の死」の終結部も採用されながら全く異なるエンディングが用意されていました。
私は初めて聴きましたが、誰かのアレンジでしょう。プログラムにも触れられていませんので犯人は誰か判りませんが、大変に興味深く聴きました。

マクミランの新作は、長く待たれていたもの。クレドはもちろんミサの一章ですが、マクミランはこれまで何度かミサに挑戦しながら様々な理由でクレドは書かずに来たのだとか。今回が初チャレンジの由。
クレドが歌う三位一体を夫々楽章に振り分けた構成で、第1楽章「父」、第2楽章「子」、第3楽章「精霊」から成ります。
演奏に参加した三つの合唱団は、全てプロムス・デビューだそうです。

最後はブルックナー。定期で好評を博したもので、なるほど素晴らしい演奏でした。息の長い深々とした歌い口は、これぞブルックナー。隅々までブルックナー語法が完璧に昇華されています。意外な感じもしましたが、メナは新しいブルックナー指揮者と評して良いでしょう。
オケ、特に金管楽器は見事。メナ/BBCフィルのブルックナー全集に発展する予感も・・・。

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