3頭立てのG戦

10月2日のアイルランド、日が落ちてからのダンダルク競馬場でダイアモンド・ステークス Diamond S (オールウェザー・コースGⅢ、3歳上、1マイル2ハロン150ヤード)が行われました。アイルランドのG戦では、ポリトラック・コースで行われる唯一のG戦で、1988年に創設されていますから今年が28回目。2009年にGⅢに格上げされからは7回目を迎えたことになります。
その2009年にはマスタークラフツマン Mastercraftsman が勝ったレースですから、パータン・レースとしてのステイタスはそれなりに保持。しかし今年出走してきたのは僅か3頭で、馬券的な妙味はほとんど無かったかもしれませんね。

その3頭とは人気順に、8対11の本命が4歳馬のパナマ・ハット Panama Hat 、2番人気が9対4で同じく4歳馬のカーラ・ビアンカ Carla Bianca 、そして5歳馬アンシンカブル Unsinkable が4対1で最も配当の高いというメンバー。G戦に勝っているのはカーラ・ビアンカだけですが、パナマ・ハットの人気が上回ったのは、恐らく最近2戦でG戦に連続2着している堅実味が勝ると評価されていたからでしょう。
レースは単純でしたが、やはり関係者は気を揉んだようで、逃げたカーラ・ビアンカを2番手のパナマ・ハットが1馬身捉えて優勝。3番手、つまり終始後方のアンシンカブルはそれでも1馬身4分の1差で3着という結果です。

アンディ―・オリヴァー厩舎、クリス・ヘイズ騎乗のパナマ・ハットは、2歳時は5戦して未勝利でしたが、3歳時の3戦目にハンデ戦で初勝利を挙げると、夏場にハンデ戦ばかり立て続けに5連勝した馬。その年は8戦5勝で、4歳の今年はリステッド戦とG戦ばかりにここまで7戦。7月にロスコモン競馬場のリステッド戦でシーズン初勝利を挙げ、アメリカのアーリントン競馬場に遠征してアメリカン・セントレジャー(GⅢ)で2着、帰国して前走もエンタープライズ・ステークス(GⅢ)2着とG戦クラスでも勝ち負けを演ずることが出来る能力を示し、ここでG戦初勝利を達成しました。
ポリトラック・コースは2歳時にも一度経験していますし、3歳時5連勝の5勝目もポリトラック。せん馬ですから繁殖とは無縁で、来年以降も地道にGⅢクラス、あわよくばGⅡも狙うというタイプでしょうか。

 

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