第2のシリュス・デ・ゼーグル?
日曜日のヨーロッパ競馬、次はフランスのシャンティー競馬場で行われたG戦2鞍です。こちらも馬場は heavy 。
最初のシジー賞 Prix Sigy (GⅢ、3歳、1200メートル)は去年からGⅢに格上げされた一戦で、重馬場にも拘わらず14頭立ての大混戦。前走フォンテンブローでシーズン初戦に勝っているアガ・カーンのサリシャガン Saryshagann が29対10の1番人気。
スタートからどの馬が逃げていると指摘できない混戦の中から、先行していた2番人気(22対5)のクワイエット・リフレクション Quiet Reflection が抜け出して楽勝かと思われましたが、4番人気(83対10)のジミー・トゥー・タイムズ Jimmy Two Times が一気に差を詰め、ゴールでは頭差でクワイエット・リフレクションが凌いでいました。
レース後のコメントでは、鞍上がコール前1ハロンの標識をゴールと間違えて早目に先頭に立ち過ぎたのが原因とかで、調教師は胸が潰れるほどのスリルを味わったそうな。半馬身差で12番人気(32対1)のポスト・ヴァー Post Var が3着に入り、人気のサリシャガンは後方から伸びるも6着どまり。
勝ったクワイエット・リフレクションは英国からの遠征で、カール・バーク厩舎。騎乗したダギー・コステロ Dougie Costello は若手で、これがG戦そのものも初勝利です。2歳の終戦でアスコットのコーンウォリス・ステークス(GⅢ)に勝っていた牝馬で、GⅢ勝ちのペナルティーを背負っていたため牡馬と同斤の競馬での勝利。ロイヤル・アスコットのコモンウェルス・カップ(GⅠ)に14対1のオッズが出されました。
ヒヤッとさせられた陣営ですが、このあとはヘイドックのサンディー・レーン・ステークスからアスコットを目指す計画。アスコットではキングズ・スタンド・ステークスにも登録があるようで、もちろんギニーは眼中にありません。
もう一鞍が古馬によるダルクール賞 Prix d’Harcourt (GⅡ、4歳上、2000メートル)。本来はロンシャン競馬場で行われ、去年はラ・フォース賞(今年はサン=クルーに移行)と同日施行でしたが、今年はシャンティに舞台を移します。ここも12頭と頭数が揃い、前シーズンをオレンジ侯賞(GⅢ)で締め括った仏ダービー8着馬のカラクタール Karaktar が31対10で1番人気。
去年のラ・フォース賞勝馬で3番人気(79対10)のシルヴァーウェイヴ Silverwave が逃げましたが、3番手でマークした5番人気(9対1)のガーリンガリ Garlingari が抜け出し、最後方から追い込む7番人気(102対10)のサンバル Sumbal に3馬身半差を付けて快勝。中団を進んだ9番人気(118対10)のアフェール・ソリテール Affaire Solitaire が首差で3着に食い込んでいます。人気のカラクタールは勝馬と並んでレースを進めましたが、最後は一杯になり8着敗退。
勝ったガーリンガリは、前走エクスバリー賞(GⅢ)に続いてG戦に連勝。コリーヌ・バランド=バルブ夫人の管理馬でステファン・パスキエ騎乗の5歳せん馬と言えば、前年までGⅠ戦で活躍していたシリュス・デ・ゼーグル Cirrus des Aigles を思い出します。
夫人によればガネー勝を3勝などした名馬と似ている所もあるとかで、古馬になって開花したせん馬シリュスを髣髴とさせます。簡単なプロフィールはエクスバリー賞レポートでも紹介しましたが、次は愈々来月第1週のガネー賞でGⅠ初制覇を目指すことになるでしょう。
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