ブロムシュテット/N響のシベリウス

放送音楽

N響の1月定期から、ブロムシュテットによるオール・シベリウス・プログラムをBS2の録画で視聴。トゥオネラの白鳥、タピオラ、交響曲第2番です。N響名曲路線の典型的なものでしょう。
タピオラが聴ける、と言っても定期演奏会、どうしても選曲が陳腐に感じられます。この選曲はオーケストラ側からの提案でしょうか、それともブロムシュテットの希望?

トゥオネラの白鳥は記憶にありませんが、他の2曲は同じコンビで聴いたことがあります。指揮者が老齢なので、最後の機会という意味合いが含まれているのかも・・・。

例によってこのマエストロは対抗配置主義です。このところN響はこのスタイルが多いようで、一層のことこれを定番にした方が良いのじゃないでしょうか。指揮者によって配置をコロコロ変えるのは好ましくないように思います。

冒頭のトゥオネラの白鳥、オーケストレーションが変わっていますね。木管ではフルートもクラリネットも使いません。その代わりバスクラリネットが1本登場します。レコードをスコア無しで聴いている人にはこういうことは中々理解されません。その意味で、ナマで聴くこと、映像つきで音楽を「見る」ことの効果は大きいと思いました。
これはイングリッシュホルンが大活躍する作品で、ある意味でイングリッシュホルン協奏曲の趣。女性ソリスト、名前は知りませんが、すっかりN響の「顔」に定着していますね。

ブロムシュテットは全て暗譜で振っていましたが、指揮台には各曲のスコアが置いてあります。3曲ともブライトコプフのポケット・スコア。私も持っている古いバージョンですが、この辺に指揮者の年代を感じます。今時の若手指揮者はこんなスコアで指揮しませんでしょう。

このところ体調が悪いので、音量もあまり上げず聴いていましたから、演奏に付いての感想はほとんど無し。これ以上のことは書けません。
ただブロムシュテットが徹底したヴェジタリアンという先入観念があるせいでしょうか、何とも精進料理みたいなシベリウスに感じましたね。大音量の箇所が時々点滅。あとはヒツソリとした物言い。ナマではそんな風には聴こえないのでしょうが、放送で聴いた限りでは物足りないコンサートでした。例によって客席は大喝采。

もう一つ気がついたこと。コンサートマスターがゲスト(名前はメモしませんでしたが、外国人)。下野のときもゲスト・コンマスでしたが、別の人だったように思います。N響のコンマスは確か二人、揃って年末年始休暇を取ったのか、時々ゲスト・コンマスを招くのがこのオケの仕来りなのか。大昔のウィルヘルム・ヒューブナーのことを思い出してしまいました。

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