ヘッド師、今年は2着

6月11日、世界の競馬ファンの目はアメリカのベルモント・ステークス、そして来週に迫ったロイヤル・アスコットへの各馬の動向に集まっていますが、フランスでは人々の目を縫うようにGⅢ戦が一鞍行われています。
それがシャンティー競馬場のポール・ド・ムーサック賞 Prix Paul de Moussac (GⅢ、3歳牡せん、1600メートル)。牝馬に出走資格が無いということもあり、仏2000ギニーの残念会的な一戦です。

good の馬場に8頭が出走し、27対10の1番人気には2頭が並びました。1頭はデビューから3連勝し、前走シャンティーのリステッド戦(ポリトラック・コース)で2着のハリケーン Hurricane 、そしてもう1頭がドイツから遠征してきた現地の独2000ギニー(GⅡ)で2着のドガ Degas 。
このレースは過去3年、フレッディー・ヘッド師の管理馬が3連覇していましたが、今年ヘッド厩舎が4連覇を目指すのが仏2000ギニーでは8着だったムーン・トラブル Moon Trouble 。この馬は59対10、人気の上では4番手でした。
仏2000ギニーでは後方から追い込んだムーン・トラブルでしたが、今回は逃げ作戦。後続を離しての逃げでしたが差は徐々に詰まり、先行グループから抜け出したのが3番人気(37対1)のゼルザル Zwlzal 、残り1ハロンでムーン・トラブルを捉え、ヘッド師の期待を2馬身半挫いての優勝です。更に2馬身差で最後方から追い込んだドガが3着に入り、2番手を追走したハリケーンは4着。上位人気4頭が上位独占。

勝ったゼルザルはアル・シャカブの所有馬で、ジャン=クロード・ルジェ厩舎、グレゴリー・ブノア騎乗。2着馬と同じく仏2000ギニー残念組で、クラシックでは13頭立ての11着に終わっていました。結局仏2000ギニー参戦組から出走してきたのは2頭だけで、しかも2頭がワン・ツー・フィニッシュでしたから、クラシックのレヴェルは高かったと評価すべきでしょうね。
ゼルザルは今年になってデビューした馬で、負けたのは前走仏2000ギニーだけ。これで4戦3勝、これからもマイル戦ではG戦の常連になってくる存在でしょう。

 

 

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