ジェシカ・ハリントン女師の大活躍

4月23日の日曜日は、アイルランドとフランスでG戦が夫々一鞍づつ行われました。ここはアイルランドを紹介し、フランスは別に稿を改めましょう。

カラー競馬場が改修中のアイルランド、ネイヴァン競馬場で行われたのが、長距離戦のヴィンテージ・クロップ・ステークス Vintage Crop S (GⅢ、4歳上、1マイル6ハロン)。去年は5月15日に施行されていましたから、何らかの理由があって前倒しされたのでしょう。その辺りの情報は得ていません。
馬場は good 、有力馬の1頭フォーゴットゥン・ルールズ Forgotten Rules が馬場が合わないことを理由に取り消し、7頭立て。これが今期初戦ながら、去年のアスコット・ゴールド・カップの勝馬で、なお且つ凱旋門賞でも3着と世界を驚かせたオブライエン厩舎のオーダー・オブ・セント・ジョージ Order Of St George が4対5の1番人気。この日はシーミー・へファーナンが騎乗しています。

逃げたのは、2頭が2番人気(4対1)で並ぶ1頭のターセダー Torcedor (正確な読み方が判りません。ゲール語でしょうか)。4番手に付けたオーダー・オブ・セント・ジョージがジワジワと差を詰めましたが、最後は1馬身半差のままターセダーの逃げ切り勝ち。3番手を進んだもう1頭の2番人気トゥワイライト・ペイメント Twilight Payment が更に半馬身差で3着に入りました。
勝ったターセダーは、去年までデヴィッド・ウッチマン厩舎に所属していた5歳せん馬。今年からはジェシカ・ハリントン夫人の管理下に移り、コーム・オダナヒューとコンビを組んでこれが2戦目。新厩舎での初戦はレバーズタウンの一般戦(1マイル6ハロン)で、今回は取り消したフォーゴットゥン・ルールズを破って優勝、ここには追加登録料を支払って参戦していました。G戦初挑戦での快挙です。

とこでハリントン夫人、平場と障害を兼ねる調教師で、先週4月17日にはアイルランドで行われる障害の大レースであるアイリッシュ・グランド・ナショナルを制したばかり。更にこの日は第3レースのリステッド戦(パワー・ステークス、3歳、6ハロン)も、同じオダナヒュー騎手とのコンビで勝ち(クークリ Kuhkri という馬)、正に破竹の勢い。
今回の勝利はロイヤル・アスコットに繋がるトライアルで、2着のオーダー・オブ・セント・ジョージと共にゴールド・カップに参戦するのは間違いないでしょう。加えてターセダーの母マグノリア・レーン Magnolia Lane は、ゴールド・カップ4連覇のイェーツ Yeats の全妹という血統。正にゴールド・カップのために生まれてきた馬と言えそうです。
一方、2着に終わったオーダー・オブ・セント・ジョージは、これがシーズン初戦。ここからの変わり身は必至で、オブライエン師も大満足の様子でした。

 

 

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