ご隠居一行のドイツ珍道中(8)最後の一日と、落穂拾い

7月2日、今年の「小弦楽音楽祭」も大成功の裡に終了し、クァルテット・エクセルシオの健闘も目撃した我々応援団一行も帰国の途に就きます。
但し夫々の都合は様々で、初日から行動を共にして来たご隠居一行の内3名はベルリンに向かい、ベルリン・フィル鑑賞などを予定している由。ご隠居軍団はこれを以て解散となります。

魚津組も様々で、ウィーンを経由してスイスに向かうグループ、フランクフルトに戻って「ヴォツェック」を鑑賞する組、そして我々と同じ便で帰国する人達と。即帰国組のフランクフルト出発便は現地時間の午後4時過ぎなので、未だ午前中はゼーリゲンシュタット滞在。空港まで送ってくれるタクシーが2時出発ということで、今しばらくドイツの古都を散策することにしました。
この日は曇り、時々雨がパラつくという空模様で、傘を持っての買い物ツアーとなりました。

ホテルのロビーで遭遇した早起きグループは朝一番でチョコレートをゲットしたという話を聞き、我々も移動。何のことはない、マインシャトーの2・3軒先にある甘味所で、我々も初日にアイスクリームを舐めた店。店名を「ジュッセ・レーヴァー」Der Susse Lower と言う。
既にチョコレートはハイデルベルクで調達したし、猛暑の東京に帰れば暑さで溶けてしまう恐れあり。我々は買い物は止めにして、この店でケーキとコーヒーを戴く。大きさの割には甘さもしつこくなく、ここはお勧めです。ゼーリゲンシュタットに行かれる方は是非。店の案内によると、ヘスバッハ、アシャッフェンブルグにも出店があるようですが、それ何処?、と私に聞かないでくださいネ。サッパリ判りませんから。

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そうこうしている内に雨も上がり、丁度居合わせたメンバーと“あの渡し船に乗って見ませんか。折角来たんだから”ということになって、目と鼻の先に見えるバイエルン州に渡ります。
ゼーリゲンシュタットの渡し、運賃が何処にも表示されていません。乗り込んでから渡し守が徴収に来るのですが、何と言っているのか良く判らん。コインを出して見せると、1ユーロ取り上げて20セントのお釣りをくれたので、多分片道80セントなんでしょう。

出発してあっという間に向う岸到着。しかし対岸は見事に何もない草原で、少し先にカールシュタインという町に行くバスの停留所があるだけ。それでも対岸から見るゼーリゲンシュタットの町は、マインシャトーと修道院の尖塔が並んで見え、これは着てみなければ見ることの出来ない景気です。

psゼーリゲン 1099-001

やがて2時、愈々タクシーが到着し、ゼーリゲンシュタットともお別れです。タクシーの運転手は、ポルトガル出身と言う女性。例によってアウトバーンをぶっ飛ばし、フランクフルト空港着。
帰りのルフトハンザは、行きで慣れた所為か、幾らかは楽でした。機内食は食べたいものだけにし、相変わらず眠れないので機内テレビ鑑賞。帰りに見たものは、ザルツブルク音楽祭のドン・ジョヴァンニ(エッシェンバッハ指揮)、ベルリンで行ったバレンボイムとアルゲリッチのピアノ・デュオ(春の祭典など)、ディズニー創作の映画「セクレタリアート」。
後者は、3冠馬セクレタリアートを実話を元に再現したもので、これからベルモント・ステークス、というところで時間切れ。面白かったので、後でDVDでも探して最後まで見なければ・・・。

ということで、あっという間の1週間。こういう機会があればまた参加したいし、若い人たちの助けがあればご隠居でも気軽に参加できました。発案してくれたドクトル、様々に手配して頂いたH夫人、完璧なサポートをしてくれたK君、その他同行して楽しい時間を共有してくれた一堂に心から感謝します。

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最後に書き残したことを箇条書きに。

★ヘンシェル・クァルテットのセカンド
今回のヘンシェルはセカンドのダニエル・ベルが超多忙と言うことでスケジュールが折り合わず、カタリン・デサーガ Catalin Desaga という男性奏者がピンチヒッターに立っていました。
ところが直後のモニカ情報によると、ダニエルが正式に退団し、今後はカタリンがセカンドに就任するとのこと。偶然ながら我々は新メンバーによるヘンシェルQを真っ先に聴いたことになります。

★ドイツの蝶
私がドイツを訪問したのは今回が初めてでしたが、回った範囲ではチョウの姿を見たのは僅か。そのほとんどがシロチョウで、偶々止まったものを見るとモンシロチョウとスジグロチョウの2種類がいるようです。もしかするとオオモンシロチョウが混じっているかもしれませんが、ネットに入れて観察しなければ判別は困難。
その他ではハイデルベルクのケーブル山頂駅で青いシジミチョウ(ルリシジミのようなブルー)を1頭目撃。この環境で蝶の姿が無いのは、日本に比べて自然度の貧しさを思ってしまいました。あと、ハイデルベルク駅校内のガラス窓でバタバタしている中型タテハ系も目撃。遠目で種類までは判別できませんでしたが、クジャクチョウと思われます。

★ドイツの花々
どの町もプラタナス、菩提樹の高木が目立ちます。日本と同じように紫陽花を彼方此方で見かけましたが、今の季節に藤が花を付けているのが妙。日本では藤は桜が終わった後の5月連休まで、紫陽花は梅雨の季節と相場が決まっていますが、藤と紫陽花を同時に楽しめるのは、緯度が高いヨーロッパならではでしょう。

 

 

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