2016ジュライ・ミーティング初日

7月7日から9日までの3日間、ニューマーケット競馬場のジュライ・コースで行われる毎年恒例のジュライ・ミーティングが行われます。期間中に行われるG戦は7鞍、うちGⅠ戦が2鞍は例年と同じスケジュール。
昨日はその初日で、いきなり第1レースから第3レースまでがG戦でした。レース順に。

夏のニューマーケット競馬場は馬場が乾いて固くなるのが通例で、今年は散水を施した結果 good to firm 、所により good の高速馬場。ロイヤル・アスコットまでの重馬場主体の競馬とは異なる結果が出たようです。
先ず3歳の長距離戦たるバーレーン・トロフィー Bahrain Trophy (GⅢ、3歳、1マイル5ハロン)。9頭が出走し、ロイヤル・アスコットのターセンテナリー・ステークス(GⅢ)で2着したゴドルフィンのプライズ・マネー Prize Money が9対4の1番人気。この時勝ったホークビル Hawkbill が先週のエクリプス・ステークスを快勝したことも人気の要因です。

レースはゴドルフィンのペースメーカーを務める最低人気(33対1)のレース・デイ Race Day が逃げ、プライズ・マネーは後方から。しかし馬場がアスコットとは異なった所為か本命馬は最後の1ハロンで急速にバテ、ペースメーカー共々8・9着と惨敗に終わってしまいました。
ジュライ・コースの特徴は最後で馬群がスタンド側と遠い側の二手に分かれることにありますが、このレースも典型で、スタンドから遠い側で先行した3番人気(9対2)のハウゼズオブパーラメント Housesofparliament が3ハロン地点から抜け出し、スタンド側の3番手から伸びた2番人気(7対2)のプラティテュード Platitude に1馬身半差を付けて優勝という結果になっています。短頭差で6番人気(14対1)のハリソン Harrison が3着。勝馬はライアン・ムーアが、2着にはフランキー・デットーリが騎乗しており、人気騎手二人のワン・ツー・フィニッシュでした。

勝ったハウゼズオブパーラメントはエイダン・オブライエン厩舎、前走ロイヤル・アスコットのキング・エドワード7世ステークス(GⅡ)では不利もあって4着でしたが、やはり馬場が乾いたことで本領を発揮したと見るべきでしょう。今年2戦目にダンダルク競馬場の10ハロン戦で初勝利を挙げ、これが2勝目でのG戦初勝利です。
3歳のステイヤーとして頭角を現した同馬、ヨークのイボア・ハンデ、ドンカスターのセントレジャーと夢は広がりますが、未だ具体的なプランは発表されていません。

続いては歴史ある2歳戦のジュライ・ステークス July S (GⅡ、2歳牡せん、6ハロン)。1頭が取り消して9頭立て。6頭が前走に勝っているというメンバーの中から、ロイヤル・アスコットのコヴェントリー・ステークス(GⅡ)でカラヴァッジョ Caravaggio の2着したメーマス Mehmas が11対4の1番人気。ロイヤル・アスコットの2歳戦では最も評価の高いレースでした。
5番人気(7対1)のヤルタ Yalta と7番人気(16対1)のバーリントン Barrington の逃げ争いで始まりましたが、先行して2頭を追ったメーマスが残り1ハロンで先頭に立つと、スタートで多馬にぶつけられて最後方から追い上げた4番人気(7対1)のインテリジャンス・クロス Intelligence Cross を半馬身抑えて見事期待に応えました。1馬身差で6番人気(8対1)のブロークン・ストーンズ Broken Stones が3着。今回は1着がデットーリ、2着がムーアでの決着です。

リチャード・ハノン厩舎のメーマスは、チェスターの新馬戦とニューバリーの一般戦とデビューから2連勝し、サンダウンのリステッド戦で2着して前走がロイヤル・アスコット。このあとはグッドウッドでリッチモンド・ステークスを使い、アイルランドのフェニックス・ステークスでGⅠを狙うとのことでした。

初日の第3レース、この日最後のG戦はプリンセス・オブ・ウェールズ・ステークス Princess of Wales’s S (GⅡ、3歳上、1マイル4ハロン)。7頭が出走し、一昨年の仏ダービー馬でやはり一昨年の愛チャンピオン以来勝星の無いザ・グレイ・ギャッツビー The Grey Gatsby が11対4の1番人気。前走プリンス・オブ・ウェールズ・ステークスは4着でしたが、馬場が変わったことによる変わり身が期待される5歳馬です。
逃げたのは6番人気(8対1)の伏兵ビッグ・オレンジ Big Orange 、スタートで出遅れたザ・グレイ・ギャッツビーは後方から。3番手を追走していた2番人気(4対1)のイクゾスフェア Exosphere とザ・グレイ・ギャッツビーが残り1ハロンで逃げ馬を捉えるかに見えましたが、余力を残しながら逃げていたビッグ・オレンジが二の足を使って後続を突き放し、ゴールでは本命馬に2馬身半差を付ける鮮やかな逃げ切り勝ちを演じました。半自身差でイクゾスフェアが3着。

マイケル・ベル厩舎のビッグ・オレンジは、人気は無かったとは言え去年の勝馬で2連覇達成。去年はジェイミー・スペンサーが騎乗していましたが、今年スペンサーは本命馬に騎乗。今回ビッグ・オレンジにはオーストラリアでゴドルフィンの首席ジョッキーを務めるジェームス・マクドナルドが騎乗していました。脚を矯めての逃げは、さすが一流ジョッキーの腕と言えそうです。
去年ビッグ・オレンジはここを勝った後グッドウッド・カップ(GⅡ)と連勝し、メルボルン・カップ遠征は5着でした。今期はドバイ・ゴールド・カップ(GⅡ)2着、ジョッキー・クラブ・ステークス(GⅡ)3着(勝ったのはイクゾスフェア)と来て、予定していたアスコット・ゴールド・カップを回避して今回の勝利。今期もグッドウッド・カップからメルボルン・カップという長距離路線を歩む計画です。

 

 

Pocket
LINEで送る

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください